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SAURUS > エッセイ > 藤元裕二 > 肝属川のランカー・シーバス
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宮崎県都城市在住
藤元 裕二
ESSAY: Yuji Fujimoto


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2007年12月、朝晩の寒さがぐっと厳しくなりシーバス釣りに行くのが億劫になってきた。しかし、シーズンは始まったばかりなので、暖かいコタツの誘惑に負けないようにさっさとタックルを車に詰め込み家を出た。使用タックルはニューブラックフィン82、72プロトタイプだ。前作BFより性格のはっきりしたロッドに仕上げたいと思っている。よりPE使用を意識したセッティングを考えている。

今回のランカースポットは鹿児島県肝東串良町の肝属川。例年なら良型のシーバスラッシュで沸くポイントだが前日までの状況は最悪で、正直あまり期待はしていなかった。しかし直前に友人から絶好調との電話をもらい、ポイントに着く前から車中の活性は最高潮に・・・。

ポイントに着いてみるとすでに十人以上のアングラーがロッドを振っている。絶好調というのは嘘ではないようで、先にキャストしていた地元アングラーに状況を聞いてみると「今3本目です」との答え。

「こりゃいただき」と取らぬ狸のなんとかならぬシーバス算用をしながら空いているところを探してキャストを開始した。

潮は良い感じで下げていてベイトもちらほらと見えている。本来入りたかった対岸のベストポイントでも先行者が連続でランディングしているのが見えた。さて、こちらはと言うとアタリはあるもののエバかチヌの小型のアタリばかりだ。

「今日の流れだとやはり対岸か・・・」そんなことをつぶやきながらふと下流側を見ると、良い感じの潮目ができている。ためしにとニューシートプス11.5cm、ゴーストアユカラーをキャストする。リトリーブ直後寒さでかじかむ手元に確かな衝撃が走った。BF82がきれいなベンディングカーブを描く。かなりの重量感だが流れに乗っているので正確なサイズはキャッチしてみないとわからない。慎重にファイトして無事キャッチしたのは83cm、5kgのマルスズキ、きれいなボディーが印象的だった。


しかしここのポテンシャルはこんなものではない。20ポンドオーバーも珍しくないのだ。

この後も気になる対岸ではぼちぼちランディングされていたが、こっちは小型のアタリばかりで時間だけが過ぎていく。
その後ポイントを上流側に変更し、川の中に立ちこんでさらにキャストを続けた。もう日付が替わろうとしている時間なので帰ろうかと思い、ラストキャストと決め込んで上流めがけてクロス気味にフルキャスト。慎重なスローリトリーブでベイトの際を通す。「ヌッ!」ロッドを伝わってくる微妙な振幅の変化。ミノーの横を何かが通った。シャロートプスの細かで確かなアクションがシーバスの存在を教えてくれる。

アングラーの意図しないところで勝手にダートしてくれたりする最新の流行ルアーではこうはいかない。「釣れた」、ではなくて「釣った」、っていうのがこっちとしては楽しいのだ。流れがゆるくなった状況で心強いウエポンだ。すぐに切り返しのキャストで変化のあった辺りですかさず細かなトゥイッチを加えると「コツン」と硬質なあたりの後「ドスン」と確かなバイトが伝わった。ヒット!の声と同時にナイスプロポーションのシーバスが月明かりに舞った。

「これだよこれ」最初のシーバスより狙いすましてバイトさせたこいつのほうが数倍嬉しい。しかし緩んだ頬と同調してラインテンションも緩んでいたのか、アワセを入れてすぐのテイルウォーク一発でロッドから重量感が抜けてしまった・・・。

痛恨のバラシである。中々のサイズだったのでかなり悔しい。最後の一投にドラマは起こったが完結できなかった。まだまだ修行が足りないらしい(笑)。今後年明けまでランカーラッシュが続くはずである今後に期待したい。



(使用タックル)
ロッド: ザウルス ニューブラックフィン 82プロトタイプ
リール: シマノニューステラ4000
ライン: ファイアーライン2号
ルアー: ニューシートプス11.5cm、
シャロートプス12cm、シコトゥイッチャーシーバスシュート
カラーはイワシ、パールホワイト、ゴーストアユなど


藤元 裕二





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