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熊本県在住
増田 俊一
ESSAY: Top Notch


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熊本市、熊本平野部にある江津湖。


上江津、下江津合わせても周囲10キロ程の小さな都市型河川膨張湖が僕のホームである。


湧水が多く、特に上江津の量は半端なく、ジンクリアな水で水温も通年安定している。その湧水が最も際立ってくるのが真冬で、水温も16~17℃と極めて高い。
そう言う意味では江津湖に冬など無いのかもしれない。



冷え込みがキツイ朝などは湖面が湯気立ちキャストに苦労するほどである。




真冬でも16~17℃?
そんなに高いんだったら釣れちゃうでしょ!

と、冬になると県内外から息巻いてトップウォータープラッガーが集まるも、大概そのフィッシングプレッシャーに尻尾を巻いて帰る事となる。

オオカナダモ等のウィードの育成状況も毎年変わるため去年のパターンが全く通用しない。なんて事もしょっちゅうで我々釣り人を翻弄し続ける湖なのである。

水は温かいが魚は冷たい。
それが江津湖なのである。





さて、今年も無事真冬を迎えて、真冬のトップウォーター大好きな最クレイジーな友人達が遊びに来た。



正月休みも落ち着く1月の7日~8日真冬真っ只中の極寒キャンプである。

自宅から15分の距離でキャンプなのである。




夕方準備もそこそこに釣りに出る。
プライムタイム。同船者に真冬の江津湖に珍しいナイスバイトを掛けるも痛恨のバラし。
呆気なく、そして無情にも日が暮れて仲間達が集まるまでの間そのまま半ナイトに突入した。





プラグはホッツィービックを選び、キャスト後、数回のアクションさせてただ引きで誘うと



ゴボッ!



ぐらりと水面が揺れ引き波が近付いたと思ったらホッツィーをひったくって行った。


















飯喰うか。








キャンプとは名ばかりでいつも月明かりの下、持ち寄った食材で温かい自慢の食事を振る舞い酒を飲み明かしてるだけなのであるが。
夜半から誰からともなく





じゃ、出るか。






氷点下の湖面へ船を滑らせる。
…と、出てみたものの、
強力な睡魔に負け一旦車に戻り仮眠ほどの眠りに落ちた。。。

夜明け寸前に飛び起き、
再び出撃して昨日反応の有ったエリアを丹念に攻め立てる。

夜も明けたのでホッツィーをビッグからオリジナルへ結び変える。ウィードの面でモジモジ悶えさせると横から飛び出て、確かにしっかりホッツィーを持って行くバスにカウンターで合わせを入れ、ファイトもそこそこにカヌーへとブチ抜く。

パターンは見えた。

次のポイントで一匹。
その次のポイントでもう一匹同じパターンで追加出来た。
真冬の朝の僅か30分のホッツィーでのラッシュ。





僕が今の僕の息子よりまだ小さかった頃、雑誌で見たバルサ50。
憧れて憧れて。
それこそお年玉を握りしめ釣り具屋へ走った。


その、ため息が出る程の美しさ。
年が明けるこの頃になると1つ、また1つと歳をとる度に増えて行った。



あれから30数年。



やはりキング・オブ・Wスイッシャーはホッツィートッツィーだと信じてる。









真冬の1発、1匹。



折角冬が来たんだ。
寒い寒いと家に居ても魚は釣れない。
きちんとした防寒と僅かな根性?

それでもフィールドに出ればあの手が震え、膝が笑うあの感動と興奮が待ってるかもしれない。



1匹の魚とどうかかわるか。
そう教えられ育った。
まさしくこの事ではなかろうか。



真冬も始まったばかり。
存分に楽しもうではありませんか!
ホッツィーを握ってね。



(2015年1月)
 増田 俊一




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