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SAURUS > 釣行レポート > #14 6月中旬、今年最後のサクラマス
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「今年のサクラマスも終わりかな~。」
6月中旬、東北の各河川は渇水・高水温のため釣りに行く気にもなれず、また、ガソリンの価格高騰により金銭的にも遠征は厳しい為、「`08サクラマス終了宣言」を出そうとしていた。その矢先、携帯にメールが届いた。「釣れたよ~」、岩手の仲間からである。
「地元にサクラマスが遡上する川があるなんて出勤前フィッシングができていいな~。」と最初は軽く受け流していたのだが、あまりにも頻繁に入る仲間からのヒット情報と添付されてくるサクラマスの画像を見せられ、醒めかけていた闘志に火がついた。


早速、情報収集してその時の状況でも釣りになりそうな河川を数河川ピックアップし、水量データをチェックしながら休日を待つことにした。
そして、ようやく待ちに待った休日。今回選んだ河川は、上流部にダムがあり定期的な放水によりこの時期でも水量・水温が保たれていてベストとにらんだのだが、釣行前日に放水ストップしたためか一気に25センチに水が落ちてしまった。
「前日まではよかった」、遠征者の宿命である。

渇水したものの水温が低めなのがせめてもの救いだ。元々この河川は遡上数も少なく地元の方の話しだと1シーズン川全体で十数本の釣果しかないらしい。
「何年か通って1本取れたらいいな。」と軽い気持ちでの釣行だったので、渇水で「地形チェックできていいじゃん。」とあえてプラス思考で望むことができた。

夜明けとともに各ポイントをチェックして行くが急な渇水の為か反応はない。
つい先日、山形・新庄の加藤さんがチェイスさせたポイントに行ってみる。普段は荒瀬の流れがチャラ瀬になり見るも無残な姿に・・・。
「こんな時は普段釣りにならないような場所が釣りになるはず。」と、車を走らせるが皆考えることは同じらしい。いい流れにはすでに先行者の影が。

しばし先行者の動きをチェックするが動こうとはせず、このポイントで粘り通すようだ。仕方ないので近くの水深のあるポイントに入りルアーを流すが、プールをグルグル回っている稚アユを観察したのみでサクラのサの字も無い。
正直飽きてきた。
晴天で暑いし徹夜で走ってきたため眠い。緊張の糸がプッツン。得意のお昼寝タイムに突入(何か自分はどこの河川に言っても昼前には寝ているような・・・)



午後3時、加藤さんからの電話で目が覚める。少し話しをして先行者がいたポイントに行ってみると空いていたのでそそくさと入川。
河原を見ると朝より水が多い気が。水位データを見ると明らかに水位が上がっている。放水だ。「よっしゃー。魚が動くぞ!」と思ったのもつかの間。水はクリアなのだが放水の影響かルアーフック、ラインシステムに流下物がひっかかってくる。急激な水温低下の影響かいつもなら適度に遊んでくれるヤマメの姿すら無い。

半ば諦めながらも日暮れまでキャストを繰り返す。他の魚のアタリも皆無であった。
「やっぱりこの川は噂通りの厳しさだな~。」
近くのスーパーの駐車場で夕飯の弁当を食べながらこのまま帰るか明日の朝一だけやって仕事にそのまま行くか悩んでいたら携帯が鳴った。仙台の西村さんからだ。「釣れた?」「ダメです。」
状況と昼寝していたことを話す。「何しに行ったの?」「いや、アユの成育状況の確認と水位データは正確かの確認しに・・・」
無駄な言い訳をしつつなんだかんだ話しをしていたら再び睡魔に襲われた。道の駅に滑り込みしばし仮眠のつもりが目覚めると時計はAM0時を指していた。朝一釣行決定だ。時計のアラームを3時にセットし就寝。
AM3時予定通り起床。顔を洗い歯磨きをしながら今日のプランを考える。仕事の時間を考えると釣りを出来る時間は7時くらいまで。ポイント移動で無駄な時間を使いたくないため上流部から実績ポイントをランガンで下ってくることにした。

AM3時40分、上流部のポイントよりエントリー。
ティーレックス11センチとレックス・ミディアムディープ9センチを流速、深さに合わせて流して行く。
荒瀬の開きでいかにも!というポイント、岩盤のスリット、大石の前後も反応なし。
ポイント移動のため車で下流方面へ。中流部は市街地を流れているためか朝駆けアングラーが多い。数ヶ所攻めてみるが反応はまるでない。

AM5時すぎにはこの河川で実績のある最下流部のポイントの本流との合流点に来てしまった。丁寧に攻めるが反応なし。ふと下流の本流側に目をやる。普段は豊富な水量で手をつけられないのだが渇水で水量が少なく何とかなりそうだ。
時間がまだあるので実績のない本流を釣り下ってみることにした。昨日から何にも釣ってないので魚の引きを味わいたいため「二ゴイでもこないかな~」と普段はやらないような流れも流して行く。



AM5時50分。微妙に流れてはいるがほぼ止まっているいかにも二ゴイの住処に毎度おなじみ実績のレックス・ミディアムディープ9センチのアユカラーをキャスト。

1投目何もなし。2投目。キャスト後、ややスローなリトリーブでルアーを水に馴染ませ軽くアクションをつけながら引いてくる。半分くらい巻き取った辺りで突然「ドスッッ!」っと何者かがルアーをひったくった。

今年はファイト中のルアーのすっぽ抜けによるバラシが多かったので2発ほど本気で合わせを入れておく。
二ゴイにしては口が堅い気がする。すぐに手元に首振りの感触が伝わってきた。本命だ。ドラグをけっこう強めに設定しているのだが少しラインが出て行く。本流筋を下られると初めての入川エリアなので底の障害物もわからず厄介だ。ドラグを締め込み、`08トラウトスピン76HSの調子によるいなしで本流筋への走りを食い止めることに成功。足元で2、3回走ったが空気を吸わせると時期的なものかすぐ弱まりすんなりネットに収まった。薄っすらピンク色がでていて鱗がしっかり吸収されている夏マスだ。

サイズ、67センチ重さは3キロ後半ってとこか。春の遡上直後なら4キロオーバーはありそうな立派なサクラマスだ。数枚の写真撮影後このマスの子孫と再会できることを願って元の流れに戻すと元気に泳ぎ去って行った。

雨が降らず渇水続きで厳しい今年の東北河川だったが、今年も数匹のサクラマスと出会うことができた。
河川環境はどんどん悪くなってきているが。来年はどんなサクラマスに会えるか今から楽しみだ。`08年サクラマス釣行終了!!


ロッド ... `08トラウトスピン76HS
リール ... `07 ステラC3000HG
ライン ... 8ポンドライン+リーダー16ポンド
ルアー ... ティーレックス 11センチ、レックス・ミディアムディープ 9センチ

(2008年 6月)

ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行




Angler Photoアングラー ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行
トラウトのみに狙いを絞るエンスージアスト。中学生時代には小遣いを貯め、ザウルスのトラウトスピンとステラを購入。2時間以上の長距離もいとわずチャリンコで各河川に出没。豊富な情報量、情熱と行動力で日々、ビッグトラウトを追いかける。






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