海の海流の変化や漁獲量、水害等による河川環境の変化や雪の量によってもその年の遡上量に変化がでるのでこの原稿を書いている今現在(12月上旬)来季のサクラマスの予想は非常に難しいのだが例年通りの遡上量があることを前提に自分が2012年にサクラマス釣行を予定しているフィールドの最近の傾向・自分が使用するタックル等を簡単に紹介していきたいと思う。 まずはよく聞かれる東北各県のサクラマス遊漁期間について。 青森県6月1日~7月31日 12月1日~翌年2月末日 ・サクラマス保護河川あり。 秋田県6月1日~8月31日 11月1日~翌年2月末日 岩手県3月1日~6月30日 ・河川によっては6月に川止め等があり河川ごとの遊漁期間に注意。 山形県1月1日~9月30日 ・赤川は1月1日から釣り可能だが河川によっては3月1日に渓流と同時に解禁という河川が多いので河川ごとの遊漁期間に注意。 宮城県1月1日~9月30日 ・漁協のない河川では1月1日から解禁だが宮城県のメジャー河川を管轄する北上追波、北上川漁協管轄区域が1月20日解禁なので実際には1月20日からと思っていていいかもしれない。前記2漁協以外の漁協管轄区域は3月1日解禁。 福島県4月1日~9月30日
上記のように各県・各漁協によって遊漁期間がバラバラなので初めての河川に訪れる際は無用なトラブルを避ける意味で近隣の釣り具や各県の内水面漁協に遊漁期間を問い合わせた方がいいと思う。
シーズン初期の2月。仕事が忙しい時期だが何とか時間を作って釣行する先が秋田県雄物川。 毎年正月明けに1本目の釣果が確認されて2月末の禁漁に向かってどんどん川全体でのヒット数が増えていく。 一昔前まではシーズン初期というと河口のプールで重いスプーンをキャストしいつ来るかわからないサクラマスの遡上を待ち続けるというスタイルが定番であったがここ数年一気に開拓が進み2月でも河口から30キロ以上上流で活性の高い魚を狙ってヒットさせられることがわかってきた。 よって、この時期でも自分のスタイルはラン&ガン。 サクラマスが付きそうな流れをどんどん打っていく。 昨シーズンの2月もラン&ガンスタイルで52、60、56、55センチと4本のサクラマスをキャッチしている。 この時期の魚の遡上スピードは遅いがたえず上流を目指して確実に遡上している印象がある。 朝、気配がなくても時間の経過とともに魚が入ってくることがあるので気になるポイントには時間をおいて何度か入り直すようにしている。先の55センチの魚は朝、昼とそのポイントに入ったが何も反応なく15時過ぎに入り直した際数投でヒットしたという事例がある。 シーズン初期は魚影が薄く魚のいる、いないがはっきりしているので盛期以上にポイントを見切る判断力が必要となってくる(魚がまったくいない所に真剣にルアーを投げ込んでいることも多々あると思われる)。 ポイントに魚が入っていれば初期はなぜか数投でヒットすることが多い。昨シーズン2月の4本はいずれもポイントに入って数投でのヒットだ。 ヒットする魚がいれば勝負は早いということが昨シーズン身をもって体験することができたので新シーズン自分の課題はいかに効率よくポイントの見切りを判断するかということだ。 続いてタックル。 自分が初期から終盤までシーズンを通してメインに使用するルアーはレックスMD9センチ。 弱い流れはもちろんのこと激流でもバランス崩すことなく泳ぎきってくれてあらゆるアクションにも機敏に反応してくれるルアーで自分のサクラマス釣りにはなくてはならない1本だ。 MD9センチよりも深いレンジを通したい場合はレックスディープ9センチやヴィブラ6.5センチ、CDレックス8.5センチをローテーションに加える。 ロッドは川幅のある本流のためTS92HSをメインで使用(今年シーズンからはTS-PE86HSも使用予定)。ラインはナイロン素材でメインが10ポンド、リーダー20ポンドを標準としている。 2月末で秋田県、青森県が禁漁になるが3月に入ると宮城県、山形県の各河川からサクラの便りが毎日のように飛び込んでくる。 3月は山形県の大河、最上川がメインフィールド。 定番の有名ポイントが人気だが他にも開拓されていないエリアや毎年川の地形が変わるのでまだまだ開拓の余地がありこれからがさらに楽しみな河川。 例年の傾向でいくと1月下旬から釣れ始めて3月下旬~4月上旬に遡上のピークを向かえる。 豪雪地帯を支流に持つ大河なので釣期は雪代しだい。 2011年は雪が多くまとまった大量の雪代流入により4月上旬で早々とシーズン終了となったが2010年は雪代が出ては止まり出ては止まりが繰り返されGWまで釣りをすることができた。 この川に初めて来た方が戸惑うのは水色かもしれない。各支流を集める大河の下流域ということで通年水色は濁り気味なのだが運が悪いとひどい濁りにあたってしまう場合がある。 昨シーズンは「この増水・濁りじゃ・・・」と自分が諦め帰路に着いた後で最上川初挑戦の友人が本命を釣り上げてしまった。普段から濁り気味の河川なのでサクラマスも濁りに馴れているのだろうか? 先入観がなかったからこその釣果だがそんな状況だからこそ釣りになるポイントがまだあるかもしれないので濁りをみてあきらめないで新シーズンは挑戦し続けたいと思う。 最上川での一般的なスタイルは大場所で瀬の頭から次の瀬の頭までを1区間とした釣り下り。 500メートルくらいのポイントに10人以上並ぶこともあるが皆さん1キャスト2,3ステップで下ってくれるので皆平等にポイントに入ることができる。 実際釣りをしていると魚がピンでついているというわけではなく所々にできる適水勢に軽く定位しながら少しずつ遡上してくる感じで、キャスト位置に運よく活性の高い魚が入ってくればヒット!という印象をうける。なので、キャストを続ける限り魚が掛かる可能性も皆平等に誰にでもあると思う。 先の濁りの件といい全体的に魚の活性自体が高い川と言えるかもしれない。 最上川で忘れてはいけないのが毎シーズン釣れる70センチアップの存在。 1シーズンで数本の70センチオーバーが毎シーズン必ず最上川のどこかで釣り上げられるのだから本当夢のあるフィールドだと思う。 使用タックルに関してはほぼ雄物川と同じ。 河川規模の割にシャロ―が多いためレックスMD9センチを使用する割合が雄物川より高くなる。 ルアーのカラーだが濁っているからアピール系カラーが強い!というわけではなく凄い濁りの中でナチュラル系のブルーバックにも平気でアタックする。 周りを見ても群を抜くヒットカラーは見当たらないので自分の信じたカラーを投げ続ければ問題ないと思う。 4,5月の最盛期は釣れても釣れなくても新潟県三面川に通い通してみたいと思う。 ずっと則さんに「粕谷、三面川はいい川だぞ」。と言われ続けていたのだが昨シーズン初めてトライ。 そして渓相を見て一目惚れ。 昨シーズンは震災の影響で中盤から少し通っただけだったが今シーズンは本腰を入れて通ってみたいと思う。人数限定の抽選河川なので当選すれば。だが。 昨シーズンは雪が多く雪代のせいで上流域がほとんど釣りにならなかったが今シーズン釣りになるようであれば三面ダムの禁漁区下流域の瀬の多いエリアにてブラウニー13センチで1本!!と目論んでいる。 またこの河川は電力需要によるダムの放水で1日の中でも水位変動がかなりあるようだ。 自分が今まで通ってきたサクラマス河川でこのように1日の中で激しい水位変動が繰り返される河川はないので三面川で水位変動によってサクラマスがどのような動きをするのか学習したいと思う。 タックルはTS80HS-Tをメインに則さんの思い入れのある川なので気分でTS80HC-T NORRISを使用したいと思う。 ルアーに関してはまだよくわからない河川なのでサクラマス用ルアーを総動員して挑むつもりだ。 6月の秋田夏期解禁のお祭りに参加した後ラストに通うのが山形県赤川中流。 月山、朝日連峰の雪代が流入するため6月でも近隣河川に比べると水温は低い。 赤川河口域では1月からサクラマスが狙えるが赤川中流の釣期は例年GW前に赤川水系2大ダム(月山ダム、荒沢ダム)の全開放水がありその放水が落ち着いてくる5月中旬以降からだと自分は思っている。 放水中でも釣りができないわけではないが川幅いっぱいに流れるダム特有の雪代色と流れの速い赤川の流れを見ると恐怖すら感じる。 5月下旬~6月上旬にかけて片方のダムの放水量を落とすタイミングがある。水位的にもベストでそのタイミングで自分はサクラマスに出会うことが多い。 日に日に放水中の片方のダムの放水量も減っていき両方のダムの放水が止まった時点で一気に水温上昇・渇水となり自分の中ではシーズン終了となる(例年であれば6月20日前後だが雪の量次第で前後する)。 河口域にサクラマス釣りのメッカ「三段」があるため連日続く両岸からのルアー爆撃包囲網をかいくぐって中流域に昇ってき魚達であり、1度は必ずルアーを目にしてきた魚達なのでそれなりのプレッシャーを受けていていることは否めない。 また、魚影自体も年々減ってきている気がするが6月の櫛引エリアの渓相が好きで確率が低いのはわかっていながらもここ数年6月の赤川中流に通っている。 タックルはTS80HS-TにレックスMD9センチ、ティーレックス11センチ、CDレックス7センチがメインだが渇水の状況次第でTS70MS-Tにスパシン6センチ、ティーレックス7センチをメインとし夏サクラとの出会いを楽しむ場合もある。 以上が2012年の大まかな自分のサクラマス釣行予定である。 2012年は行く度にヒット!!とは言わないまでも心が折れない程度に適度な間隔でサクラマスに出会えればと思うし2011年のようにシーズン中に災害などが起こらず心からサクラマス釣りを楽しめる年であればと思う。