SAURUS | ザウルス

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ザウルスのトラウトスピンにウッドスペーサーが採用されるようになった経緯(いきさつ)はこうだった。

則弘祐が訪れた北海道で一人のアングラーと出会う。

「北海道で寒い時期に使っても手が冷たくならないようにできないのか」

当時、ザウルスの初期型のトラウトスピンにはオールアルミ製のリールシートが使われていた。これだと、極寒期には竿を握っていられないと言う、まさにフィールドからの声が届けられた。
可能な限り金属の露出を抑えるために、則は、ザウルスは真剣に悩んだ。

今や幾多のトラウトロッドに採用されているこのウッドパーツ。各種の銘木が使われ、その素晴らしさが競われている。
ザウルスはこのパーツにこそオリジナルの思い入れが強い。
オリジナルであるからこその発想、2トーン・ウッドスペーサー。
リール面の強化木ラミネートパーツがもたらす高感度。塗料を含浸させた単純木だけでは得られない新感覚。

デザインチームのささやかな抵抗と主張を込めたこの2トーン・ウッドスペーサー。シリーズのデザイン上の整合性を無視してまで、則弘祐は今回のモデルからの採用を躊躇なく決断した。

（#5）につづく

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