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SAURUS > 開発記 > #01 NEWルアー開発記
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私はトシコ。もう何回か誕生日を迎えれば80歳という年になる。自分自身年をとったと感じることは少なくまだまだ気持ちは若いつもりだが先日ショッピングモールでのこと。
食事をしようとレストランエリアの店舗一覧看板を眺めていると若い女性の二人組みがやってきた。今人気のイタリアンレストランにするか先日テレビでも紹介されていたラーメンに並ぶかを実に楽しそうに話している。私も頭の中でイタリアンとラーメンを想像してみる。・・・少し重い。気の合う友達と出かけるバスツアーでは年齢を忘れイタリアンやフレンチ、時には焼肉なんてものも楽しむ。しかし若いころと比べると当然日頃の食の好みというものが変わってきた。若い女性を目の端に見ながらも看板から和食を自然と探してしまう自分がいる・・・


僕は水中をこんな感じで想像している。なんのこっちゃって? 同じ場所に60cmのシーバスと80cmのシーバスがいたとして、それぞれが好む泳ぎというのは違うということ。体の大きさが違えば年齢も違う。大きな魚体を動かす為の筋力や労力も違うのであるならその捕食スタイルというものもおのずと変わってくる。具体的に言うなら大型になればなるほど、魚の年齢が上になればなるほど『追い』の距離は短い傾向にあり、その捕食スタイルは『待ち伏せ』になってくる。オーストラリアなどのリーフエッジに生息するサメにも同様の現象が見られる。中小型のサメは沖合いのオープンエリアでも狩りをするが、大型になればなるほどリーフエッジのスリットに身を潜めて狩りを行う。エサである魚の旋回能力や泳力に着いていく為にはその大きな魚体は邪魔になるのだ。ましてや魚類は年齢に比例して体は大きくなる。大きくはなるが年齢により筋力は衰えてくるのだ。故に安定的に体力を削らずに食を得ようとすると待ち伏せ型になってくる。


追いが短く待ち伏せのような捕食スタイル。そのシーバスを狙い打つためのルアーの泳ぎとは?
追いが短いので広範囲にルアーの存在を知らしめる必要はない。つまりは激しく身を震わせ周囲の水を振動させる必要はない。『追えば必ず食える』そうシーバスに思わせなくてはいけない。それこそが『揺らぎ』のアクションだと僕は考えている。自らの泳ぎは必要最小限にとどめ、僅かな水流の変化を拾ってヌタ~と身をよじる・・・そんな泳ぎを目指し現在開発を進めているところ。


ランカーシーバスというのはシーバスアングラーにとって一つの目標であることは間違いないだろう。『ランカーシーバスに的を絞って』なんて謳うと眉唾ものに聞こえるが『老齢魚の捕食習性を刺激する』なんていうとフムフムなるほど!と感じてもらえるのではないだろうか。昨年秋の104cmのシーバスを釣り上げたニューシートプス115改もまさにこの泳ぎを目指して僕が改造を施したものだ。
しかし改造は改造。ジャストではなく、シチュエーションをあまりにも選んでしまうという感があったので今回新たなルアーでその泳ぎを目指すことになった。


現在プロトなのでもう少し改良したい部分もあるし、ロストしたくないので厳しい所は避けての釣行ではあるが、コンセプトの泳ぎのベースの部分はしっかりと出来ているのでなかなか良い仕事をしてくれている。一つ一つの釣行は僕のブログであったり誌面で紹介しているのでここでは書かないが・・・  とにかく良い感じで進んでいて、発売せずに自分専用のルアーにしちゃいたいと考えちゃう悪い僕もいたりする。

(2013年6月)


久保田 剛之





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