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SAURUS > エッセイ > Jun > 釣り場で私の車を眺めながら則氏が口にした言葉
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Jun
ESSAY: Jun


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きれいな放物線を描いて、ルアーが水面に落ちた。




その着水は、決して激しい水柱を立てるわけでもなく、だからといってサカナの気づかぬような静かな着水音でもない。
静かに繰り返される斉一の波紋がいつの間にか消えて、水面に静寂が訪れた頃、待ちに待った使い手からのワンアクション。そして再び繰り返される斉一の波紋。
オーバーハングがあろうとなかろうと則氏のキャスティングスタイルは変わらない。オーバーハンドキャスト、またはスリークォーターキャスト。




ルアーは、「ガードスミス」、進化した「気のいいおじさん」。
ルアーが変わろうとも、則氏のスタイルは変わらない。


このゆっくり流れる時間とともに30年間積み上げたバルサ50の歴史を則氏に感じながら、もうひとつのボートでそれを眺めている。
トップウォータープラッガーとして、この場にいれることを幸せに感じている。


そんな私は、相反する直線的な弾道でルアーをキャストする。
ポイント目掛けて、「ノックンバボゥ」が飛んでいく。
ルアーは、着水同時に態勢を整え、バスからの攻撃に備える。
時には水面を破壊するようなバイオレンスアクション、時には身を隠すようなクワイエットステイ。




二人のアングラーの手によって演じるルアーは、まるで零戦の優美な飛行と防空網をかいくぐるステルス戦闘機のような動きの対比を思わせる。
ただし、目指すゴールは同じ。心に残る一匹のバスとの出会いと、釣ってやるという姿勢。


出艇前、前日までのパターンを則氏に伝えると、彼はこう応えた。
「おまえのやり方で釣ったらくやしいじゃねぇか」
則氏は則氏で答えを模索する。
ちなみに前日の夕間詰めは、「スライドスミスのバーニングヘッド」と「レッドへッドマンボー」が炸裂した。


私の釣りは、まずカラーを合わせるところから始まる。
同型のルアーでそして同じアクションで、ポイントを壊さないよう慎重にカラーをローテーションさせる。
今度は反応のあったカラーを中心に様々なタイプのルアーを試し、バスからの最高のアプローチを模索する。





本日のベストルアーは、「シュポップのゴーストQ」と「ノックンバボゥのブルーストライプ」。

静かなポップ音と水に絡みつくような妖麗な動きにバスは魅了されたようだ。

バイト数からいえば、多種のポップ音とともにダーターアクションも可能なノックンバボゥの水面直下アクションに分があったが、残念なことに私を引き付けるような激しいバイトはシュポップに軍配が上がった。
ホワイトベリーの「ノックンバボゥ」がなかったことが悔やまれる。
ちなみに則氏のファーストフィッシュも「シュポップのゴーストQ」とのことだった。





東北のバスポンドにて。
私の車を眺めながら則氏がこう呟いた。

「なぁ、JUN。やっぱり、この頃のJEEPが一番かっこいいよな」
「俺はな、このトラック顔が好きなんだよ」


いくら時代が流れても秀逸な作品は、普遍的に人の心を引き付ける。


「らしさ」を残しながら進化してほしい。
「ザウルス」ならばできるはずだ。

そう。
「ザウルス」だからできるはずだ。


Jun





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