「あいつらに大人の釣りってやつを教えてやらないといけないな」

なにやら則氏は最近そんなことをいっているらしい。
うれしい限りじゃないか。



岸際に向けて30～40メートルの遠投。岸スレスレにナチュラルな着水音。
オーバーヘッドキャスト。キャストの基本。

同船者との弾む会話。同船者との釣果への切磋琢磨。同船者とともに分かち合う喜び。
一匹との出会い。魚とのやりとりへのこだわり。結ぶルアーへのこだわり。
そして忘れちゃいけない。釣りたいっていう気持ち。


「ザウルススタイル」ゆとりある大人の遊びってやつか。
いやいや、他にもなにかあるはずだ。


「下手な鉄砲、数打ちゃ当たる」なんて愚の骨頂。もう少し頭を使おうぜ。観察眼を養おう。サカナのいる場所を探し出せ。一つ一つのキャストを大切にしよう。釣れた釣りでは満足しない。ひとつのアクションに魂をこめて。

バスへの挑戦。縛られたルールのなかでの競い合い。サカナのいないところに大遠投しても意味がない。



雨の日のバスなんて、無防備極まりない。どうみても部屋の中を裸で徘徊する女にしか見えない。まったく緊張感が伝わらない。そんなバスはターゲットじゃない。


暗闇に足を忍ばせて歩く。ルアーを静かにそっと着水。
突然起こる、深夜に轟くバイト音。
そんな寝首をかくような真似して、愉しいかい？

餌のようなゴムや虫ルアー。
それを使うなら、ドバミミズ房掛けで思い切りブン投げろ。

我々は水面のストラテジスト。
正々堂々、バスと正面から向き合おうぜ。

それこそがトップウォータープラッガーの美学。


さぁ、春が来た。
トップのシーズンが開幕する。


Jun