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Jun
ESSAY: Jun


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梅雨の名残の雨の中、日頃の疲れを癒してくれるようなほどよいバイトを味わって・・・・、そんな穏やかな釣りを期待していた。
過去3回しか乗ったことのない不慣れなフローターでもあのバスポンドなら大丈夫だと確信して(説得され?)臨んだ今回の新幹線釣行。
クルマの渋滞も気にせず、特段の早起きも必要とせず、ホテルでゆっくり朝食をとって、ノンビリと温泉に浸かり、夕方のプライムタイムに備える。

確か、そんな予定だったはず。
しかし・・・・
大雨洪水警報の中、湖上のすべての物体は、荒々しい波に身をまかしている状態。その水面にはフローターに乗った自分。叩きつける雨が水面と身体に突き刺さる。

しかし・・・
ルアーを投げることをやめられない。そんな状況に自分がいる。

今回の釣行は、仲間の花山が忙しい私の為に用意してくれた慰安旅行。
プレミアム焼酎まで用意してくれる歓待ぶり。
温泉、おいしい地元料理、そして酒。


「のんびりいこう、のんびりいこう。」
それが今回の釣行の合言葉。

だから、そこまでしなくてもいい。
しかも乗り物は、大の苦手、フローター。


4年前の沖縄釣行が脳裏をよぎる。
回収直前のホッツィーに突如バイトしてきた訳のわからない赤いサカナ(しかもデカイ)。
至る所にある、「ハブに注意」と書かれた恐怖の看板。
ぎこちない移動の最中に起こったフィン紛失事件。沖に取り残される自分。
そのときのトラウマが再び蘇る。なのにひたすら投げる、投げる、ノックンスピンを投げまくる。

「バイトが止まらない」
そう、5投に1回の割合でバイトが永遠と続くのだ。
実にいやらしいバイトの頻度。

野生の本能なのか。若干の警戒心がある中での、豪快な補食バイト。
ベリーフックはガッチリとバスの口に、そしてテールフックは、しっかりバスの腹に突き刺さっている。

バイトの取れるルアーは4種類。カラーもそれぞれ4種類。
ノックンスピン、ブルーボーンカラー。
スマートアレック、レッドヘッドカラー。
バルサ50ディープ、フロッグカラー。
そしてフローターから上がった時、ノックンアーチャー・ブラウンシャッドカラー(マット仕様)で雷魚を獲った。

3時間弱で70バイト、30匹は獲った。
勿論二人合わせると・・・とんでもない数のバイトと釣果だ。

なにもかも想定外。
クランク、シングルスイッシャー、ダーター、ペンシルポッパー。ベリーカラーもめちゃくちゃ。
統一性がまったくない。自分の「ファイブオー・データ」が一瞬にしてリセットされる。

「なぜって!?」
自分のフェイバリットルアー、ここ数年使いこなし、どのルアーよりも信頼をおいてきたマンボーホッツィーウッドゥンスマアレにどんなアクションを加えても、どんなカラーを使ってもバイトがないのだから。つまりその4種類のルアーにしか反応がないのだから。

謎は深まるばかり。納得できるまで投げ続ける自分。
これがトップウォーターフィッシングの可能性なんだ。
なにがブラックバス釣りは計算しつくされた釣りだ。
自然は偉大だということの再認識。

しかし分かったこともある。
この経験が自分を次のステージへと導いてくれる。
全て同じ状況なんて自然界ではありえないこと。だからこそ限りなく正解に近い答えを導く為、たくさんの経験が必要となる。


バスをたくさん釣りたいのならば、より大きいバスを釣りたいのならば、そしてだれよりもバス釣りを楽しみたいのならば、人一倍釣り場に行くべきだ。
人の経験談は参考にはなれど、実体験とは程遠い経験値の差。

勿論、バス釣りが死ぬほど好きな自分でも、時に気分がのらないこともある。「もういいか」となることもある。仕事が忙しい為、昼寝がてらノンビリ湖上にいること、サカナが釣れなくてもいいと思うこと、釣り100%で湖上にいないことも多々ある。
しかし、それ以上に自分が釣り人であり、釣りに対する高い欲求を持ち合わせていることに気付くことが多い。



つい先日、やたらと興奮している則氏と話をした。
「いや~、目からうろこだよ。何から何まであいつら、60アップ仕様なんだよ」
バス釣り暦「半世紀」の男ですら、この有様。

だから自分は今、ルアーを投げることをやめられない。
もう二度とないかもしれないこのチャンスを無駄にしたくない。
そこには釣り人として夢中になっている自分がいる。


Jun





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