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Jun
ESSAY: Jun


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釣り仲間から電話がきた。
9月の遠征が仕事の都合で行けなくなったらしい。
日帰り釣行も微妙とのことだ。


彼は仕事上どうしても土日を休むことができない。連休もめったに取れない。
今の職場となって、私たちと休みが合わず、いっしょに釣りに行ける機会はほとんどなくなった。
忙しさゆえ年間釣行回数も2、3回だ。
だから、仲間と行く釣りをどれほど楽しみにしているのか十分わかる。
もちろん私にとっても、彼の醸し出すまったりとした空間での釣りは、何とも言えず居心地がよく、その雰囲気の中での釣りをいつも楽しみにしている。だから2人して落ち込んだ。




彼と釣りに行くときは、ついつい余計なお節介を焼いてしまう。
「この時期のバスは、非常にナイーブになっているから、このルアーを用意しといたほうがいい・・・あっ動かし方も・・・」とか、
「マスタッドの針先は甘いから、しっかり研いでおくように」
とか。

「今年もバスに会えた。よかった。JUN君、ありがとう。」
なんてこというもんだから、何だか彼にとっては迷惑な話だろうが、
「絶対バスを釣らせたい」という余計な使命感に燃えてしまう。
「釣らせたい」なんて言葉は非常におこがましい。
しかし、そんな気分にさせる男だ。


彼の行きつけのBARには、ボトルキープしてあるバーボンにファイブオーのルアーが掛けてあるそうだ。
仕事帰りに立ち寄り、ルアーについた歯形を眺めて思い出のバイトに浸り、酒を飲んでいるそうだ。トップウォータープラッガーならではの楽しみ方ではないか。





またBARには釣り好きの客も多いらしく、釣りでの思い出をお互い語り合い、行きたくても行けない次回の釣行に向けての話で盛り上がっているそうだ。


彼はザウルスと則スタイルが大好きな男だ。
大学のアウトドアサークル在籍時、則スタイルに触れたらしい。「キャンプとカヌーと釣りとバーベキューはワンセットなんだ」と彼は言う。
いつものことだが両開きのアムコにぎっしりとザウルスのルアーを並べて、プライムタイムにもかかわらず、1投目のルアーをどれにするか、ずっと悩んでいる。前日、いや何ヶ月前から決めてあるはずの1投目のルアーは、釣り場の情景が目に入ると、一瞬にして頭の中から消え去ってしまうらしい。
彼故のあれこれ思案する時間の使い方は、日常から釣りに携わる私にとって歯がゆくてしょうがないのだが、大切な朝マヅメなどは、彼にとって一日の釣りでの取るに足りない時間らしい。彼は、長い一日の釣行を十分に満喫しながらその日を楽しんでいる。




ボートをおろすとき、彼は気持ちよく私に問いかける。
「ボートはボクが操船しましょうか」
「じゃあ、釣れたら操船交代してね」
と私は答える。
そんな彼に気持ちよく釣りをしてもらいたい。素直な気持ちでそう思うからこそ、サカナの居場所を見極めるため、現場を見渡しながら、私の頭の中はいつもフル回転で動いている。


ポイントなんて水の増減さえなければ、サカナはいるべき場所にしっかり付いている。行きつけのフィールドで好ポイントは大体20~30ヶ所。そこに気持ちよくキャストしてもらいたい。
彼が気持ちよくキャストできるポジションにボートを静かに動かし、思いっきり投げてもらう。しかしそんなときに限って、高ぶる気持ちを抑えきれず思わず力んでしまい、遥か先の木の枝にルアーを引っ掛けてしまうか、もしくはバックラッシュして、ルアーを水面に叩きつけるか。久しぶりの1投目。よくある話だ。それを見て2人で大笑いする。




勿論、彼の好きなポイント、私の好きなポイントについて、お互い熟知している。だから、自然と会話がなくてもポイントを譲り合う。さらに好きなバイトシーンやシチュエーションもお互い理解しているので、長い間会わなくても仲間意識を感じてしまう。


前回の釣行は千葉のオリオリ池。
なぜオリオリ池かというと、彼が初めてオリオリで釣ったからみんなでそう名付けた。
高嶺の花のオリジナルを津久井湖の矢口釣具店のショーウインドーでよく眺めていたそうだ。
その時の彼の様子は目に浮かぶし、オリオリにバイトがあり、必死でゴリ巻きしていた様子も鮮明に覚えている。そしてその時の何ともいえない笑顔も。




今、私の手元には、新作のアンクルチューバと開発中のシングルスィッシャーがある。
アンクルチューバは最高のバイトと凄いサカナを釣り人に用意してくれる。忍耐はいるが、スローな釣りを信条としている彼にはよく合うルアーだ。早く投げてもらいたい。


先日のトップノッチとの釣行でアンクルチューバの威力を目の当たりにした。
トップノッチは、ダンプティクリンカーの「チリンチリン」という規則正しい高音と、アンクルチューバの「ゴボン」という底まで響き渡るであろう轟音のコラボレーションで見事デカバスを釣り上げた。私は操船しながら、「お見事!!」と彼を賞賛し、彼の釣りに酔いしれ、ともに喜んだ。
私も何匹かアンクルチューバで釣り上げたが、どれもガタイのいい理想の体型だった。激しいバイトに驚く君の顔が目に浮かぶ。尋常じゃないよ、覚悟しといてくれ。





ザウルス開発中のシングルスィッシャーは、私が使ってきたこのタイプのルアーでは群を抜いている。このルアーは釣り人に「動かすことの可能性」と「至福の投げ心地」を提供してくれる。勿論よく釣れる。
トップノッチとの釣行では、私は半分以上このルアーを投げていた。
ペラを曲げたり変えてみたり、様々な音や動きを楽しんだ。
ルアーのサイズ3/4oz.、ロッドはバルカ58、リールは89年2500C、ラインはPE40ポンド。彼らの協力により、気持ちよく動かすことが出来た。
そして日中でも最高のストライクを呼び込んでくれた。
君にも早くこの極上のシングルスィッシャーを味わってもらいたい。




私は、近くて遠い彼との釣行を空想の中で思い描く。
いち早く、その空想を現実のものに置き換えたいと願いながらエッセイを書いている。
昔の写真を眺めながら思い出に浸るのもいいが、新しい思い出を積み重ねていってもいい頃じゃないか。
真面目な君のことだから難しいのはわかるけど、もうそろそろ風邪を理由に仕事を休んでもいいんじゃないか。9月中に何とか時間を割いて釣りに行こうじゃないか。秋バスはトップウォータープラッガーにとってかなりの難敵だが、それも含めていつものペースで楽しもう。
あぁ、君との釣りが待ち遠しいよ。気が付けば今年も残り4ヶ月だ。

(2009年8月)


Jun





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