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Jun
ESSAY: Jun


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一投目。「ニヤリ」と笑みが漏れた。
そして思わず言葉がこぼれ落ちた。「うん、悪くないな」

それがバシングシャフト「BC60-4 キャストマグナム・マークI」に対する率直な感想である。

「なるほど、則氏の狙いはこういうことか」


70年代の海外メーカー、80年代初頭の国内メーカーによる釣りの状況に合わせたロッド作りと、釣り人が「釣果」を求める為に行っていったロッドローテーション。そして今でも過剰なまでに特化したロッド作りが続いている。

ルアーから要求されるロッドの細分化。
ワームなら、スピナーベイトなら、クランクなら、ミノーなら、そしてトップウォータープラグなら・・・。
釣り人の機能への欲とメーカーの戦いはさらに進む。
トップウォータープラッガーならばきっと求めるだろう。
ペンシルならば、ポッパーならば、ダーターならば、スイッシャーならば、そしてノイジーならば、このロッドだと。



バスポンドから要求されるロッドの細分化。
リザーバーなら、野池なら、そして河川なら・・・。
釣り人の機能への欲とメーカーの戦いはさらに進む。
トップウォータープラッガーならばきっと求めるだろう。
オープンウォーターならば、オーバーハングならば、そしてリリーパットならば・・・このロッドだと。


私のトップウォーターロッドに求める第一の条件は、どんな状況においても自らの腕でカバーしうることが出来る最低限の機能があること。
なぜなら自分の技術への成長過程を楽しむといった面白みがなくなってしまうからだ。


今までいろいろなロッドを使ってきたが、今も「スーパーストライクFO-60」は、自分にとって大切な愛竿の一本である。近年のロッドと比べれば非常に不器用なロッドである。が、ルアーをしっかりとのせた時のしなやかな投げ心地、グラスロッドゆえのサカナをかけたときの粘り、サカナとのやり取りの中で感じる独特の重量感、食い込み具合。ファイト中のなんともいえない好感触なやり取り。長年使うことで、今ではどんなルアーでも使いこなせるし、バスポンドを選ばず使うことも出来る。
BC60-4 キャストマグナム・マークI」はボロンコンポジットではあるが、FO-60同様のしなやかな投げ心地となんだか懐かしいサカナとのやり取りの感触を思い出させてくれる。



今日、2010年初釣りに行ってきた。
湖上全体に立ち込める朝靄の中、はやる気持ちを抑えきれず、「BC60-4 キャストマグナム・マークI」にABU2500C、ラバーガンをセットする。


ホッツィートッツィージョインテッド・バードウッドゥンファンキーモンクとルアーウェイトを上げながら、ロッドと多種ルアーとの相性をカラダに馴染ませていく。ロッドは難無く私に同調していく。
問題ない。ルアーも踊るように楽しく動いている。
ロングキャスト時、ティップからバットに向け、ロッドは滑らかに弧を描く。ブッシュへのキャストも腕を折りたたんで手首を返すように投げれば、僅かな隙間を抜けて、伸びるようにルアーをプレゼンテーションしてくれる。


釣行開始、30分後。7時半ごろ。
15メートル先に、折れかけた竹が3本重なってシャローに覆いかぶさっている。
左サイドキャストで竹と水面の間にファンキーモンクをキャストする。ルアーはブッシュ奥、岸際5センチにすべるように着水した。

一呼吸おいてラインスラッグを生かしながらスケーティングさせる。そして大きなスライドを4回描き、竹のブッシュから1メートル出たところで、シャローエリアを回遊していたバスから今年初のアプローチを受けた。
ロッドはしなやかにルアーをバスに食い込ませる。
「おっ、いいバイトじゃん!!」とキャスティングからバイトまでのやり取りを一部始終みていた同船者から声が上がる。
そして私はサカナからの躍動感を直に受けながら、このロッドならではの「釣り味」を堪能した。



私は今、このバシングシャフト「BC60-4 キャストマグナム・マークI」に嵌まっている。

こいつは私にとって十分すぎる機能性と懐古の情を持ち合わせた最高のバーサタイルロッドだ。


しかし今後もロッドは進化するだろう。
だからこそ私達釣り人も自分の愛すべきロッドはなんなのか、もう一度見つめ直す必要があると思う。
環境・状況に応じ違ったタイプのロッドがあるように、人それぞれ好きなロッドがある。
それは機能性なのか、釣り味なのか。どう選ぶか、それも人それぞれ。


私には特化したロッドよりも自分を生かせるロッドの方が愛おしいのだが。

(2010年1月)


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