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SAURUS > 釣行レポート > #16 おそるべし!夏ヤマメ ~ 鳥取県日野川
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7月も中旬を過ぎて酷暑の太陽が容赦なく照りつける。
この夏の猛烈な暑さは中国・山陰地方も例外ではない。

それでも私は本流へ車を走らせる。
それは、見事な本流の夏ヤマメに会いたいからだ。

その夏ヤマメを狙うために、日野川本流に心がはやる。

おそるべし!夏ヤマメ。
この時期のヤマメはポイント選び、アプローチ、ストローク、
アクション、スピード、レンジなどかなりシビアに作戦を組み立てないと反応は無い。

夏はどうしても水温上昇は避けられない。ヤマメにとってその水温上昇がかなりのプレッシャーになる。
そこで少しでも水温の低い湧き水がある場所や発電所の放水口周り、水通しの良い白泡の周りなどを狙う。
堰堤下も忘れてはならない好ポイントである。




この日の私は下流域の実績ポイント、堰堤下に入ることにした。
ロッドはベイトキャスター 50、ルアーはTy-REX 9cm。
流れの中にTy-REXを送り込む。
この時期の本流ヤマメは春先のように水面直下の激しいトゥイッチングに反応し川底から一気に喰い上げることはもう無い。
水深にもよるがミドルレンジからボトムレンジを軽いトゥイッチングかストレートに引いてくるほうが効果的となる。
この日も、小刻みにトゥイッチングを入れてアピールするが本命の流芯ではヤマメの姿を見ることは出来ない。そのすぐ下の開きにいくつかの岩が沈んでいる。
その岩の一つ一つを丁寧になぞるようTy-REXを送り込んでやる。

(モゾ モゾッツ!)もだえるような生命反応が手元に伝わる。
「魚だ!」しかしこの微かにじゃれるようなバイトをフッキングまで持ってゆけず、その銀鱗はニジマスなみのジャンプを見せて、川底に戻っていった。
魚の活性はシビアながら問題ない!まだチャンスは有りそうだ。
同じように沈み岩を丁寧に、そしてなぞるようにトレースする。

数投後に(ゴツーン!)と確かな手ごたえがボロンシャフトを襲った。
「よし!今度はしっかり喰ったぞ!」
強烈にローリングとダッシュを繰り返す。春のヤマメとは比較にならないくらい強い。時間をかけてファイトする。
やり取りをじっくり楽しんでランディングしたのは37cmの見事な本流ヤマメだ。
冬を超え、待ちわびた春を喜び、飽食の夏を迎えて見事に育ったブットイ夏ヤマメだ。
「これだ!これに会うために酷暑でも本流に立つんだ!」貴重な出会いが今ここに実った。文句なしだ。

その後、そのすぐ上の瀬を狙うが何の反応もない。
夏ヤマメはそんなに簡単にぽんぽんと釣れるほどは甘くない。
おそるべし!夏ヤマメ。


日が高くなってきた。容赦なく照りつける全開の真夏の太陽。
額を激しく流れ落ちる大粒の汗。目に入って一瞬視界が霞む。
狙いの瀬には、数人のアユ師が陣取る。そろそろ移動しよう・・・。

良さそうな場所を覗いて見るが、すでにアユ師の姿が・・・。
夏の本流はアユ師の動きも大きなポイント選びの要素になる。
そこで思い切って上流まで足を伸ばすことにした。

Ty-REXブラウニートランでいくつかの流れを探ってみるが何の反応も無い。
うだる暑さ、試練のように灼熱の太陽がたたきつける。
魚も瀬の中には居ないようだ。
水通しが良く水深が有って、さらに湧水のあるポイントに逃げ込んでいるようだ。
そう簡単にヒット連発とはいかないのが夏ヤマメだ。それは覚悟の上なのである。

ルアーをCDレックスに変えてミドルレンジを引いてくる。
こうしたうだる条件で、水になじませるようにCDレックスを使ってやるとまことに上手くアピールしてくれる。
激しいトゥイッチングに反応し、スローなアクションでも完璧に泳ぎきる。
そしてこの重い流れの中での安定感は脅威といえる。
CDレックスは私の本流釣りの構成で、はずすことの出来ない完璧なミノーだ。



ワンキャスト ツーステップでテンポ良く探っていく。
見事にCDレックス7cmが流芯に絡んでゆく。
数投後に待ちに待った、ストライクが襲った。
ミノーが流芯を横切り上流を向きかけたとき、川底から黒い影が閃光のアタックを見せた。
一瞬の出来事に驚きながらも、反射的に合わせを入れていた。
じゃれつく当たりを弾かないように、ドラッグを緩めに設定していたため、ラインがどんどん出てゆく。少しドラッグを締め、走りを止めるが又すぐ猛烈に走り出す。
それも、物凄く速い!「や・・やばいぞ・・。」
これほどのスピードを見せるヤマメは初めてだ。
おまけにショートロッドでのやり取り。テクニカルなファイトが続く。
本流のパワーと盛期のエネルギーを全身に蓄えた夏ヤマメが、そのもてるエネルギーを一気に放出している。「これだ!これなんだ・・・。」
全身汗だくで、1匹のヤマメと対峙する。

ファイトはえらく長く感じる。ヤマメもそろそろ息が上がってきた。
ベイトキャスターのネバリと強さで徐々にスピードが弱まり最終段階に入る。
頭を水面に出すと、スーッとすべるようによってきた。最後は一気にネットイン。
息が上がる。肩で息をする。手に収まったヤマメも激しく呼吸している。
38cmの完璧な魚体。ヒレピンの真夏の弾丸。
その美しき弾丸の体を優しく見つめてみると、グラマラスで完璧な魚体に、もうにうっすらと婚姻色が出ている。
秋の恋の季節に向かっているのだ。
暑さも脱水症状も忘れその美しい光沢に吸い込まれるように見入ってしまった。
本当に愛らしい。





おそるべし!夏ヤマメ。
「ザザッッ ザザッッ ガサッッ!」

自分の身の丈以上もの草や笹をかき分けポイントに入る。

息が切れる。滝のように流れる汗。頭がクラクラする。
唯々疲れるだけで終わってしまうことは、真夏のこの釣りには良くあることだ。
しかし、これもまた釣り。そうした苦労と労力も楽しもう。

この藪を越えたらあの究極の夏ヤマメが待っている。
これからも私は、あの草むらを、葦原を、笹藪を越えて大物との出会いを求め本流釣行を重ねるだろう。

いつも、そしていつまでも豊かな流れであります様に・・・。

(2008年 7月)

ザウルス・アソシエイト 東郷 英基




Angler Photoアングラー ザウルス・アソシエイト 東郷 英基
ビッグトラウトのフィールド開拓が進む西日本地区のベイトキャスター。仕事の関係でサンデー釣行ながら10余年に亘り実績を積み上げてきた。生涯初めてのサクラマスをレックス・ミディアムディープでキャッチ。その運命の出会い以来、日野川のサクラマスをメインに山陽、山陰地域でビッグトラウトに情熱を注ぐ。






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