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SAURUS > 釣行レポート > #26 関西の小規模河川サクラマス 2009
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3月に入り西日本のサクラマス河川も相次いで解禁を迎えた。
私はメインフィールドの日野川を中心に釣行を重ねているのだが、ポツポツ他の川の情報も入ってくる。そんな中、同じく西を中心に釣り歩く友人から貴重な某河川の情報を入手することになる。
「川の規模は小さいけれど、釣れてますよ!私ももう数本獲ってます!」

こんな話が飛び込んできたら、もう出かけるしかない。
月も変わり初夏の風が汗ばむ陽気を運んでくる季節にずれ込んだが、何とか休みを強引にねじ込んで、岡山から少し足を伸ばしてみることにした。

夜中に到着した私は仮眠をとって夜明けを待つ。
薄明るくなると、早速川沿いに走らせながらポイントのチェックと、はやる気持ちを抑えながらロケハンに入る。

「あれ?水が無いじゃない・・・。」

事前に釣友から聞いていた水量とは全く違う、渇水の小規模河川が目の前にあった。
初夏を向かえ当然のごとく雪代は納まり、情報よりは減水かな・・?とは予想していたが、ここまで水量が無いとは・・・。

この減水でトロ瀬はチャラ瀬となり、深場は水の流れも無くひっそりとしている。
通常この水量を見たら釣りを始めたかどうか。ましてやサクラマスとなると、(これじゃ無理だろう・・・。)とあきらめて帰ったところだったかもしれない。
「せっかく休みを取ってきたんだ。始めてみるか・・。」
遠征とまでは行かないが、岡山から足を伸ばし臨時で休日をプラスしての釣行だ。
とりあえずロッドを手に川に入った。



川底は砂が多く、ほとんど変化が無い。
いくつかの瀬をチェックしたが今だ反応も魚影も無い。
「本当にいるの・・・?」
日が高くなり、額からは汗が流れ落ちる。
かなり歩いた・・・・。
「サクラフィーバーは終わったのか?時期がもう遅いのかな・・。」
だんだん弱気になってくるが、不思議と疲れは無い。

いくつかの浅い瀬を越えてまた次の瀬を目指す。
「とにかく、水通しの良いところを狙わないとな。」
ここぞとブラウニートラン8cmを結ぶ。
キャストして軽く誘ってやると、いきなり黒い影がトランを襲った。
次の瞬間水を割ってサクラマスが姿を現した。
ドバーッツ バシャ バシャ! 一瞬にして体に緊張が走る。
まさかこんな浅場でヒットするとは!驚きだ。
流れはあるが、川底まで全部見透かせる超シャローのチャラ瀬だ。
どこからマスが出てきたんだろう?

ロッドを下げて、左右に走り回るサクラマスに対処する。浅いポイントでサクラマスをかけるとこんなにも走り回るのか!
猛烈に走り回るサクラマスをなんとかいなして、しばらくファイトするとサクラマスも落ち着いてきたようだ。
ベイトキャスター70MH-Cのパワーでゆっくりと距離を詰めていく。
ここまでは順調にと思われたのだが、ん?何かがおかしい・・・。サクラマスが悠然と私の前を通り過ぎゆっくりと上流に向かった。



ここで私は初めて自分の考え違い、大きな間違いに気付いた。
距離を詰めたのではなく、サクラマスが上流を目指していたのだ。
平然と上を目指して泳いでゆくサクラマス。私もゆっくりと上流についてゆく。数メートル上流に瀬を昇った後は全く動かない。
「そうか、ここに定位していたのか・・。」
おそらくここに付いていたのだろう。
川底の小さな石が作り出す流れのよれを利用して体力を温存している。

これは持久戦になりそうだ。

ロッドを寝かせてサイドプレッシャーをかけて魚を定位している場所から離す。相手の一瞬のスキを付いて1mほど寄せるが、又すぐに1m走られる。
何度繰り返えされただろうか?すでに5分以上ファイとしているはずだ。
「全然マスが弱らないじゃないか!」
未だにサクラマスは弱らないのだ。シャローのマスはこんなに強いのか。驚きだ!
ここで無理をすれば一発でやられてしまう。



パワー勝負のベイトキャスター70MH-Cを手に、
ラインは10Lb.ショックリーダーは20Lb.。先ずラインブレイクは無いはず。あとは、口切れとフックが伸ばされないように注意すれば必ず獲れると信じる。
後は相手が弱るまで辛抱するだけだ。
ロッドを絞り、プレッシャーをかける。どれだけテンションをかけ続けただろうか。
マスもついに耐えかねて僅かに石から離れた。

「今だ!」

ゆっくりとベイトリールのハンドルを回す。
確実に距離は詰まってきて、どうやらすでに抵抗する体力は残っていないようだ。
ロッドを立ててネットを手にする。サクラマスは最後の抵抗を見せたが、時すでに遅し。一発でネットに納まった。

ズシリと重いパーフェクトな魚体。
見事な60cmオーバーのオスザクラだ!
精悍な顔つきに太い体。広く発達した尾鰭。
「強いはずだ・・・。」

気がつくと目が霞むほど汗が滴り落ちて、喉もからからだ。
照りつける太陽に耐えかねて、少し早い昼食と1時間ほど仮眠を取ることにした。



午後からも相変わらず強い太陽が照りつけ、浅い川の中は全てが照らされて、川底全部を見渡す事が出来る。
サクラマスの着き場は解った。「浅い瀬の石が入っているところだ・・。」

リーダーに金アユのトラン8cmを結ぶ。
川幅も無く水深も浅い。慎重にストーキングしないと私の姿は魚に気付かれてしまう。
さらに数歩はなれた場所から距離をとって、慎重にキャストを繰り返し、流してゆく。
流れの中にうってつけの石が幾つか見える。チャンスだ!
期待が一気に高まり、はやる心を抑え、静かにキャストを数投し続けると、またもやいきなりサクラマスがミノーを襲った!

「やっぱり居たか!ヒット!」
激しいヘッドシェイクが手元にガンガン伝わってくる。間髪いれず強烈な走りでシャローを突っ走る。
「サクラマスってこんなに走る魚だったっけ?!」
驚きと興奮に包まれ、そのファイトを十分に堪能する。

シャローのサクラマスは本当にちょっと違う。
逃げ場が深みに無いので、左右に上流下流へと、ものすごい走りを見せるのだ。
シャローのサクラマス!これは又、堪らない格別のファイトだ。サクラマスのファイトを充分楽しんでネットイン。
これもまた立派な50cm台後半の太くてナイスなプロポーションを見せてくれた。



驚きのシャローでの猛ファイト!近距離では緊張の連続でスリル満点だ!

小規模河川の狭いスペースでのファイトがこれほど凄いとは・・・。
このような小規模河川で?!サクラマス?と疑心暗鬼で始まった挑戦も、格別のファイトと、素晴らしいサクラマスに会うことが出来て最高に幸せでした。

ベイトキャスターのパワー、そしてさらなるショーとロッドへの挑戦。
この日私は、釣友の田中 秀人 氏に携帯でメールを発信した。
(小規模河川のサクラマス!2本獲りました!明日は50ベイトキャスターで狙います!)

翌日は50ベイトキャスターで挑戦するも、さらに水位が下がり水温も上がり、おそらく酸欠状態なのではないかと思われる条件にまでコンディションが下がり、見事に撃沈!返り討ちにあってしまった。

ショートロッドでの小規模河川のサクラマス!又一つ目標を残したまま次のチャレンジに燃える。このチャレンジは達成するまであきらめられない。



もうすでに心は次の雨と低気圧の到来に向いている。
広がるベイトキャスターの挑戦!ぼくはもう虜になっています。
今年もまだまだチャンスは残っているはずだ!狙います!
(2009年 6月)

ザウルス・アソシエイト 東郷 英基




Angler Photoアングラー ザウルス・アソシエイト 東郷 英基
ビッグトラウトのフィールド開拓が進む西日本地区のベイトキャスター。仕事の関係でサンデー釣行ながら10余年に亘り実績を積み上げてきた。生涯初めてのサクラマスをレックス・ミディアムディープでキャッチ。その運命の出会い以来、日野川のサクラマスをメインに山陽、山陰地域でビッグトラウトに情熱を注ぐ。






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