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SAURUS > 釣行レポート > #30 小規模河川、サクラマスへの挑戦 2009初夏
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初夏の日差しの中、50ベイトキャスターを手に流れに立つ。ターゲットはサクラマスだ。
このロッドがリリースされて以来、田中ヒデさんと 「中小規模河川において、50ベイトキャスターでサクラを獲る。」 をスローガンに究極のサクラマス釣りをやろうと言う事になった。

まさに一匹の魚とどう関わるか、納得のいく一本を獲る!この熱い想いを胸に私たちの挑戦は始まった。

私の選んだ西日本の某河川は全長24km、日本海へと注ぐ急勾配の清流だ。春のベストシーズンから50ベイトキャスターを手にサクラマスを狙う。
1日あればほとんどのポイントをチェック出来るほどの小規模河川。何度となくこの川に足を運ぶこととなった。
しかし情熱に反して、その目標を達成することなく季節が移り変わっていったのだ。やがてアユの解禁を迎え川はアユ師に埋め尽くされた。
そんな時、東北に足を伸ばしていた田中ヒデさんから連絡が入る。
「中小規模河川サクラマス!50ベイトで獲ったぞ!」
それも、かなりのグッドサイズだ。凄い…凄すぎる…。




この出来事で私の中で再びサクラマスへの熱い強い思いが再び込み上げてきた。季節が進み「今年はもう…」薄れかけていた情熱に再び火がついた。追い討ちをかけてヒデさんから一言。

「次はお前だ!後に続け!」

熱い言葉をかけてもらった。完全にやる気モードに再突入だ。アングラーのスイッチは入った。次はサクラマスのスイッチだが、この時期は唯でさえシビアなサクラマス釣りがさらに厳しくなっている。
小規模河川の少ない水量、高水温、度重なる釣り人のプレッシャー。おまけに今年はまとまった雨が降っていないのでかなり渇水している。
私は雨を待った。増水すれば必ず魚は動く。このタイミングさえ外さなければチャンスは有るはずだ。

雨待ちの間、私はフックのセッティングを見直した。ワンチャンスを逃さないため長時間のファイトを想定してトリプルフックをダブルフックに交換するのだ。このダブルフック、なかなかの優れもので口切れが激減しバラシが減る。
フロント#6、リア#8を選択。リアのスプリットリングを取り外し、フロントのスプリットリングを2連結する。これによりフックの向きが正しくなる。
もう一つの理由はフロントとリアのフックの間隔が狭まり、魚の口に両方のフックがかかりやすくバラシが減るのだ。ラインも新品に巻き変えて万事整える。



一週間後に待望のまとまった雨が降る。

携帯で水位をチェックしてタイミングを見計らって川に入ったが短い川なので水位は一気に下がり、水位はすでに落ち着き始めた頃だった。

目的の川に到着すると、まずは下流域から探ってゆく。

反応はない。
おまけに、狙いの瀬にはアユ師の姿が…。

一声かけて空いている場所に入るが、どうもパッとしない。
そんな中、CDレックス7cm銀黒に尺ヤマメがヒットした。なかなかのスピードで楽しませてくれる。ロッドも50だ。
しかし今回のターゲットはサクラマス!ここで満足するわけにはいかない。



さらに上流へと進む。アユ師に占領された小規模河川は上流に行けば行くほど空いている場所が無い。かなり上流まで行って、空いている場所を探して探ってみるが何の反応も無い。又、下流へ向かうことになった。
途中、アユ師に声をかけ、今年のアユの状況など聞いてみる。すると話の途中で思いもよらぬ情報が聞けたのだ。
「あそこの瀬はいつも良くアユが釣れるんだけど、昨日今日と全く釣れない。さっきまで1人アユ師が入っていたけど釣れないから居なくなったよ。」
超一級ポイントでアユが釣れない?もしかしたらサクラマスが入ってアユの活性が落ちているのかも…。いや必ずそこにサクラマスがいる!

貴重の情報を得て、私はすぐその瀬を目指した。
60m続く瀬、水深は股下程度。点在する大石により複雑な流れが重なり合う難易度の高い瀬だ。
選んだルアーはブラウニートラン8cmアユ。悶々と温めた入魂のダブルフック仕様。
瀬頭からツーキャスト・ワンステップダウンで釣り下ってゆく。静かに丁寧に一歩一歩流れを確かめながら…。

基本はスローリトリーブ。時にトゥイッチングを入れて弱ったアユをイメージする。
ブラウニートランの派手なローリングアクション。激しく複雑な流れの中でもしっかりとリトリーブコースが認識できて狙ったコースを確実にトレースできる。
複雑な流れの中では最強のミノーだ。

瀬も半ばにさしかかった時、大石の前でブラウニートランを見失った。
同時に根がかりのような衝撃が走りゴクッッとリトリーブが押さえ込まれた。次の瞬間、ゆっくりと大きくギラッッギラン!銀色に輝く魚体が暴れる。

「ヒットだ!」



長い沈黙を破りやっと手にしたストライク。さてここからどうする。願って挑んだショートロッドでの闘い。私にとって未知の世界。
サクラマスの動きに合わせてロッドを右へ左へ、時には走りを止めるためにロッドをがっちりホールド。体全体を使ってサクラマスとやりあう。
夏マスとはいえ一瞬のパワーとスピードは健在だ。何度も一気に走られる。そのたびに50ベイトキャスターがガッチリと受け止めるのだ。
バシャバシャ!尾鰭が水面を叩く。暴れるサクラマスをなんとかいなしていく。
「まだロッドには余裕がある。フッキングも完璧だ。」数回のツッコミを抑えて状況を把握する余裕が出てきた。「これなら獲れるぞ!」
恐ろしいまでのポテンシャルを秘めた50ベイトキャスター
サクラマスの体力を少しずつ奪ってゆく。時間をかけてゆっくり寄せる。
ここで無理をすれば全てが終わりだ。慎重に魚の動きを見ながら最後は一発でランディング。ついに手にした60cmオーバーの夏ザクラ!

見事な魚体を見つめしばらく呆然と達成感に浸る。
サクラマスの口にシッカリとフロントとリアのフック両方がセットフックしている。
フロントフックは見事に変形、プライヤーで外そうとすると2つに折れてしまった。サクラマスとの壮絶なファイトを物語る。
最高の時間を共有した夏ザクラと50ベイトキャスター!そしてこの川のさらなる懐の深さを知る、一生忘れることの出来ないメモリアルフィッシュ!

今回あらためて思い知らされた50ベイトキャスターのさらなる可能性。
また新たな世界を見ることが出来た。



私たちの、超ショート・ベイトロッドで狙うビッグトラウトとの闘いは始まったばかりだ。

シーズンを終え、未だまだ見ぬさらなる大物へのチャレンジに燃えている。

来シーズンも、次なる夢をまたこのショートロッドで叶えたい。
この挑戦がエンドレスに続いてゆくことを今、激しく強く誓うのであった。

(2009年 6月)

ザウルス・アソシエイト 東郷 英基




Angler Photoアングラー ザウルス・アソシエイト 東郷 英基
ビッグトラウトのフィールド開拓が進む西日本地区のベイトキャスター。仕事の関係でサンデー釣行ながら10余年に亘り実績を積み上げてきた。生涯初めてのサクラマスをレックス・ミディアムディープでキャッチ。その運命の出会い以来、日野川のサクラマスをメインに山陽、山陰地域でビッグトラウトに情熱を注ぐ。






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