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SAURUS > 釣行レポート > #41 TS-CD70HS 開発記
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昨年末、TS-CD70HSというトラウトロッドとしては異例のスペックのロッドがリリースされた。
ロッドスペック発表時から「こんなロッドどんな所で使うの?」という質問があったので今回はこのロッドについて少し解説したいと思う。
開発に関して自分がイメージしたのは北海道。
特に道北、道東の湿原河川。
ターゲットは大型のアメマスとニジマス。
湿原河川は左右、頭上と木々が覆いかぶさっている場所が多くキャストもままならない。


キャストが決まりいざ魚がヒットしたとしても水中に数多く点在するストラクチャーに一気に逃げ込まれラインブレイクしてしまったりすることが多々あるので太いラインを使用しドラグフルロックの強引ファイトが湿原河川での基本。



少々乱暴な気もするが水中がストラクチャーだらけとわかっていながら無駄にファイトを長引かせ根ズレでラインブレイクなんてせっかくヒットした魚に申し訳ない。
その為既存のトラウトロッドではまったく歯が立たない。そんな特殊な場面で活躍すべく企画されたのがTS-CD70HSだ。


ロッドの長さは短い方がピンポイントへのキャストを狙いやすいのだが湿原河川は足元からドン深でウェーディングできない場面が多く足場の高い場所(崖に近い場所からのキャストも多々あり)からのキャストが多いのである程度長さが欲しいのだが長すぎると覆いかぶさる木々によってキャストもままならない場面もでてくる。そのため、湿原河川の平均的な川幅を考え長さを7フィートと選択した。


パワーに関しては湿原河川で人気のあるCDレックス8.5センチ・7センチや引き抵抗のあるジョイント系ルアーをストレスなく引けることを基本に考えた。


湿原河川では足場も限られる上にストラクチャーも多く強引なファイトが要求され、ポイントによっては魚を抜き上げなければならない場面に遭遇することも多々あるのでアクシションに関してはヘヴィーアクション。
ヘヴィーといっても物干し竿のようなただ固いだけでは強引なファイト、魚を抜き上げた際フックに負荷がかかりフックの伸びが考えられるのである程度のしなやかさは持ち合わせてある。


最近は湿原河川でもPEラインの愛用者が増えたためガイドはチタン製Kガイドを採用した。
昨年の7月TS-CD70HSのプロトロッドを手に道東の湿原河川を訪れた。
当日は釣行数日前の雨でアメマスの遡上が始まったばかり。河川内の絶対数は少ないが掛かればギンギンのフレッシュランのアメマスが相手をしてくれる状況。
湿原河川は一見流れていなさそうに見えるがしっかり流れていてカーブやストラクチャーがある場所にはしっかりとした水面の変化を見つけることができる。


水面の変化がある場所でティーレックス7センチを踊らせていると黒い影がどこからともなく現れティーレックスをひったくった。


標準フックが細軸で不安はあるのだが水中はストラクチャーだらけで魚を走らせるわけにはいかない。


ロッドのしなやかさによってフックの伸びが軽減されることを信じて強引にファイト。ファーストキャッチは体高があり肉厚で立派な50センチオーバーのアメマス。

次のポイントからは足場が高くフローティングミノーでは操作しにくいのでCDレックス・スーパーシンキング6センチにルアーチェンジ。
シンキングミノーと言っても底に沈ませると沈んでいる見えないストラクチャーに根掛かりさせてしまう可能性が高いので(湿原河川の底は沈んだ倒木だらけ)、表層・中層での釣りを心掛けた。
スーパーシンキングのブリブリとしたアクションがアメマス・ニジマスにハマったのかその後ヒットが相次いだ。
1歩も動けない状態でのヒットが多く既存のロッドではアメマスの暴力的なファイトに耐えられないであろう場面が多かったがさすがは専用ロッド。
バラシやラインブレイクはなく上々の結果で湿原河川を楽しむことができた。
また、昨年は最終サンプルを手に初冬の湿原河川へも訪れたがこの際もTS-CD70HSのおかげで満足な結果を残すことができた。


かなり特殊なロッドに仕上がったがこの特殊ロッドでなければキャッチすることができない魚・場面は多々あると思う。
今年は是非このTS-CD70HSで今までキャッチできなかった北の原野のあの大物を手中にしてほしいと思う。



(2012年 6月)
ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行




Angler Photoアングラー ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行
トラウトのみに狙いを絞るエンスージアスト。中学生時代には小遣いを貯め、ザウルスのトラウトスピンとステラを購入。2時間以上の長距離もいとわずチャリンコで各河川に出没。豊富な情報量、情熱と行動力で日々、ビッグトラウトを追いかける。






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