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Tokyo Rod & Gun Club
山田 周治
ESSAY: Shuji Yamada


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《サーフェスプラグで挑むバスゲーム》の続き。

今回のスプラットラー・ファミリーで終わりです。「フィッシング」1977年10月号の、続き。
今回はトップウォータープラグの分類編の7回目、最終編スプラットラーです。



実をいうと、僕はこの手のプラグがどうも苦手でありましてね、うまく使いこなせてこなかった。
ということは、いちばんバスのついている可能性の高い、肝心なポイントを攻め切れていない、ということでもあるんだね。
でも、苦手だとかなんとか、そんなことはさておいて、この手のプラグは、いまだってトップウォータープラグとして大いに有効なのだと思う。




主役は突如として水面に躍り出る。君のプラグワークは冴えているか!?
サーフェスプラグで挑むバスゲーム[09]



7.《スプラットラー・ファミリー》


本来このタイプは、スピナーベイトとかセフティピンとか呼ばれて、ミディアムランニング、あるいはボトムバンピングを身上とする。浮くルアーはすべてサーフェスプラグであるとする私このタイプはただひとつの例外だ。
サーフェスプラグの中にこのタイプを加えた理由は、サーフェスとして使うと、たいへん便利なルアーだからだ。

(A)へドン・ブラッシュポッパー

たとえば津久井湖。元帥子にはたくさんのブッシュが水面に出ていて、ノーマルなプラグではゲームにならない。こんなスポットには必ずバスが着いているのだが、涙を呑んであきらめざるを得ない。というときに、このブラッシュポッパーを使うのだ。ロッドは、5`1/2ぐらいのハードなもの。ラインは少なくとも12ポンド。このタックルで、ブッシュの中にばんばん投げ込むのだ。
ファストリトリーブで、このルアーを水面に浮き上がらせ、大きな水音をたてて、バスを誘う。


(B)アーボガスト・ハワイアンウィグラ―

ウィグラーには3種あって、サーフェス用にデザインされているものを、スパーターファスという。
これは、たとえば流木の境界を攻めるときに、都合がよい。タックルはやはり、ブラッシュポッパーと同じで、強いものがよい。ミディアムランニングとボトムバンピング用のウィグラーは、流木の中だ。流木の中の小さなポケットを見つけて、キャストする。リトリーブもやはり速いほうがいい。
人造湖の場合、増水したときに陸生植物が冠水することがある。ここもバスの絶好のスポットとなるのだが、ここを攻めるときにもスプラットラーは便利だ。





さて、「フィッシング」1977年10月号の紹介は、これでおしまい。


人間、思い出話にふけるようになったらおしまいだよ、なんていわれるのだけれど、こうやってご紹介しながら、あらためて感じたのは、あのころの僕らの熱気だ。本気で、トップウォーターバス釣りを皆で楽しもうじゃないか、という意気に燃えていた。


バスは外来魚だ。これは紛れもない事実だ。だから、水域を限定しなければならないということはたしかにある。

バスは肉食魚だ。これも事実だ。フレッシュウォーターには、肉食魚は少ない。けれどもソルトウォーターの魚は大方が肉食魚で、その食物連鎖で生態系が成り立っているのだ。

しかし、だからこそ、マス釣りが面白いように、バス釣りが面白い。
しかもバスはマスのように回遊するのではなく、自分のテリトリーを持って、待ち構えて餌をとる。だからテリトリーを侵害する奴は断固排除しようと戦いを挑む。この性格が、トップウォーターバス釣りをさらに面白くしてくれているのは、お互いがよく分かっているとおり。


こんな面白い釣りを、「大人ぶって」やめてしまう手はないではないか。
ねえ、かつてのバス少年達諸兄よ。


山田 周治






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