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Tokyo Rod & Gun Club 山田 周治
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もしかすると恒例になるのかもしれない。
というか、恒例になるとうれしいな、と思っているのだけれど、今年も東北の野池にバスを釣りに行った。
周囲3kmもあるかしら。潅漑用の池で、取水口の水門周辺以外は、岸辺は所々にブッシュがあるほかは、すべて葦。岸から10m離れても水深が1mもないシャローが連続している、典型的な水田地帯の野池。
その葦の生え際に入れて誘いを掛けなければ、魚が出て来ないのは、トップウォーターバス釣りとして当然のことなのだけれど、30年前と今は、ここから先がちょっと違うんですね。
きっとご経験があると思う。あの頃は、プラグにアクションをつけて誘いかけると、結構沖合まで追いかけてきて、プラグが止まった瞬間に、突然ガバっと跳び出してくることが少なくなかった。
だから、あの頃僕らが愛用していたプラグは、ペンシルベイトでもスイッシャーでも、スライドの足の長いタイプが多かったし、やや沖目から6フィート半ぐらいのロッドを使って投げていた。
そう。キャストの精度も、多少は甘くても魚は出てくれたしね。
ところが今はそうはいかない。
生え際もぎりぎりに入れないと、魚は出て来てくれない。必然的に僕が誘い出せる回数は、釣り盛りの現役に比べて少なくなる。(どのくらいの比率で少ないかは、聞くな!)
プラグも、できるだけ移動が少なくて、アクションの中身が濃くないと、誘い出せる割合がぐんと低くなる。だから、最近のザウルスの新作プラグは、かつてのウオーカータイプよりももっと多彩に、ボディを動かす。「ウオーキング・ザ・ドッグ」どころじゃない。それこそ犬が主人に会えた嬉しさを、尻尾を振りまくり、体を揺すりまくり、ついには地べたに寝ころんでじゃれつく、あの様を凝縮したような動きといえばいいかもしれない。
そうなると、ロッドも当然変わってくる。今僕が使ったのは6フィートだったのだけれど、本当はきっと5フィート半ぐらいのほうがいいのだろうね。もちろんパラボリックアクションでなければいけないし、それでいて、力はすきっと抜けて、腰はしっかりしていけない・・・・そういうロッドが欲しいなあと、つくづく思った。
こんなふうに欲しがるところを見ると、僕はまだ当分バス釣りから足を洗うことはできないのかな?
ところで。困った話を聞いた。
こんな小さな野池に、無理矢理バスボートを下ろして、農家の人達が小舟を入れるために作ってあるスロープを、壊していった人間がいたらしい。もしそんなことがまたあったら、この池でのバス釣りを禁止にする、と、この池の水を使っている農家の人達は憤っているというのだ。
こんな傍若無人の振る舞いは、農家の人の怒りを買うのは当然だし、第一こんな浅い池に大きなエンジンボートを入れれば、魚を脅していじけさせるだけで、釣りになるはずもないのだよね。
挙げ句の果てに楽しい釣り場を失うことになるのだから、まさに釣り場と道具のミスマッチも、ここにつきるとしかいいようがない。
山田 周治