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SAURUS > ケーススタディ & フィールドトライアル > Vol.1 [Field Trial] 過酷な夏の小渓流。谷川のヤマメを狙う
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ザウルス・アソシエイト  東郷 英基Vol bottom line
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過酷な夏の小渓流。谷川のヤマメを狙う




7月の下旬、フィールドトライアルのため渓流に向かう。
この谷のヤマメは少し小型で夏のアベレージサイズは18~20㎝のチビヤマメ。
ここ10日以上雨らしい雨も降っていないため、水量は少なくクリアー状態。
合わせて連日の猛暑で水温は19℃。トライアルには最高だが、私にとっては地獄の釣行となることは間違いない。
狙う場所はケーススタディーで紹介した通りですが、この状況から少しでも水深のある場所を中心に探ってゆく事にしました。
早速Tレックス7㎝銀黒をラインに結びキャストするが反応がない。
少しレンジを下げるため、ブラウニートラン7㎝に変えてみる。すると一投目で良型の魚影が一瞬ルアーに反応。
かなりルアーとの距離がある。
角度を変えて流しても反応がない。完全に警戒されてしまった。


午前中になるべく多くの場所を探りたいので次の場所に移動。
テンポよく川を釣り上がってゆく。
オーバーハングしたネコヤナギの下、落ち込みの横や流芯をアップクロスやダウンクロスで攻めてゆくが出るのは全て20センチ以下のヤマメばかり。


車に戻り大場所に移動。
ここは大きな岩盤に流れがぶつかるポイント。水深は1.2mほど。
Tレックスをラインに結び、アップクロスのトゥイッチングで誘うが反応が無いため、迂回して上流に立ちダウンクロスで狙ってみる。
この時ルアーはブラウニートランにチェンジ。
流れの緩い場所にアプローチして、トゥイッチングで流芯まで誘い、その後はゆっくりとリトリーブする。
トゥイッチングで見せてリトリーブで喰わせる作戦だが、一投目、トゥイッチングの最中に魚がルアーにアタックしてきた。
と言っても、派手にギラッ!グングンと言った感じではなく、ルアー近づきたまたま鼻先がフックに掛かったようなショートバイト。
ラインを少し出されバレてしまった。
ダウンクロスのトゥイッチングで掛かった魚はどうしてもバレ易い。
でもダウンクロスにしか反応しない魚がいる。


すぐにトゥイッチングを修正する。
小刻みな連続トゥイッチングから、大きくゆっくりとしたトゥイッチングに変えて、次の場所また次の場所にルアーを送ってゆく。
すでに日は昇り、額からは大粒の汗が流れ落ちる。


車に戻り、これまでの状況を整理してみる。
水深のある場所を中心に、瀬の中や落ち込みを探ってきたが、あまりサイズが上がらない。
唯一、良型が出たのは岩盤の絡んだ深場。
そしてゆったりとしたスタンスの長いトゥイッチング。
この2つが鍵になるのでは?
少しずつ状況が見えてきた。


幾つか思い当たる場所がある。そこをひとつひとつ潰してゆくが、簡単には微笑んでくれない夏ヤマメ。
そんな中、やっとの思いで辿り着いた、岩盤からの落ち込みが作る流れにTレックスをアップクロスでキャスト。トゥイッチを2回入れると流芯から飛び出したヤマメ。
サイズは23cmほど。
アベレージより少し大きい。
平凡なサイズだが、この1匹で迷いがなくなった。


次のポイントは歩いていると見落としそうな、とっても小さなスポット。
落ち込みの上の岩盤。
そこは深くV字にスリットが入っている。スリットの頭には倒木。ほんの1mほどのスポット。
この様な場所は竿抜けポイントとなっていることが多く、ヒットする確率が高い。
Tレックスをダウンクロスでキャスト。ゆっくりとしたトゥイッチングを繰り返す。
流れを横切り、スリットからルアーが外れた時、底から魚がゆっくりと出てきたがルアーはすでに流れている。


いた!
だが狭いスポットで魚の動きは遅い。どう攻めるか。
次もダウンクロスでキャスト。ロッドの角度でルアーを1点にとどめてその場でトゥイッチング(シェイキング)。じっくりアピールする。
すると底から狂ったようにアタックしてきた。
サイズは先ほどと同じくらい。


これを最後に、ヒットしてくるヤマメは20㎝以下になってしまった。
時計は12時を回っている。
暑さで頭も痛くなってきた。そろそろ終了の時間が近づいてきたようだ。


今回の釣行は平凡なサイズに終わってしまったが、一つのキーワードを見つけることが出来た。
サイズが伸びなかった原因としては、表層に拘ったからだろう。
夏ヤマメは特にルアーに反応するエリアが小さく、気難しいが、雨が降り増水後になると、尺ヤマメが狂ったように表層トゥイッチングに反応する事が有る。
だからトゥイッチングはやめられない。

決してシンキングミノーを使わない訳では無い。
でも表層トゥイッチングは面白い。

今回出会えたヤマメたちは、とても美しく、
一瞬、夏の暑さを忘れさせてくれた。
又逢いに来よう。この谷のヤマメ達に 。



(2011年7月)
ザウルス・アソシエイト 東郷 英基




Angler Photoアングラー ザウルス・アソシエイト 東郷 英基
ビッグトラウトのフィールド開拓が進む西日本地区のベイトキャスター。仕事の関係でサンデー釣行ながら10余年に亘り実績を積み上げてきた。生涯初 めてのサクラマスをレックス・ミディアムディープでキャッチ。その運命の出会い以来、日野川のサクラマスをメインに山陽、山陰地域でビッグトラウトに情熱 を注ぐ。


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