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SAURUS > ケーススタディ & フィールドトライアル > Vol.1 [Field Trial] 夏の渓流をどう攻めるか
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ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行Vol bottom line
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夏の渓流をどう攻めるか:粕谷 直行の場合




連日夏日が続く中ケーススタディの検証のため川へ向かった。
まず河川選択だが数日雨が降っておらず上流にダムがあり人為的に水位が調整される河川はダム放水がされていないため極端な渇水が予想されるので除外。
ある程度標高のある山から流れ出しダムのない河川に目をつけた。


次に入るエリア選択。
目をつけた河川は中流域に稲作地帯があるため途中にある取水堰でほとんどの水が水田の方に取られてしまう。
そのため取水堰より下流は極端に水量が減ってしまう。
かといって支流は冷たい水が流れているのだが細々とした流れが多く大物の期待は希薄。
よって取水堰より上流のある程度水量があり大物がつける堰堤の深みが点在するエリアを入川場所とした。


この時期自分がよく通う奥羽山脈から流れる河川にはアブが多い。
現地について車に体当たりするアブの数に驚き釣り場に着いたが車から降りずに現場から立ち去ったことも何回かある。
早朝であれば日中に比べ気温も低くアブの活性が悪く何とか釣りになるだろうか?


目的の河川に向かう際数河川橋を渡るのだがどこも極端な渇水で不安になる。


AM5時現地到着。この河川のターゲットはヤマメとイワナ。
特にヤマメはパーマークくっきりの40センチ近いサイズの実績もある。
河川の特徴としては釣り方や場所が同じでもヤマメが釣れる日は9割ヤマメでイワナの日は9割イワナといった面白い傾向がある。
さて今日は何の日か?1箇所目のポイントは地元では大物が釣れると人気の堰堤下。
道路からすぐということでアングラーも多く魚はスレているが実績も十分。
毎日のように叩かれているが「朝一ならもしかして」と期待してのポイント選択である。


準備を終えて堰堤の前に立つ。この時期にしては堰堤下のプールの水量、水流もありこれなら何とかなりそうだ。
ロッドは河川規模にあわせてTS50ULS-T、ラインは大物が来てもいいように5ポンド。
ロッドの先には渇水・高水温・人的プレッシャーの影響で低活性が予想されるので始めから絶対的自信のブラウニー5センチS(アユ)をセット。
堰堤に向かって右側から流れの筋を順に攻めていく。
しかし無反応。次にさらに深いレンジを探るべくレックスディープ5センチにルアーチェンジ。
カラーは夏場の渇水時に強いガンメタ。


色々な角度からルアーを打ち込むも無反応。
さすが人気の堰堤下。
渇水と人的プレッシャーの影響で完全にポイントが潰れているようだ。
堰堤下流の流れを攻めるもこれまた無反応。魚っけがまったく無くここで時間を無駄にするわけにいかないので車でエリアを移動することにした。


時間の経過とともに気温上昇、アブの猛攻が目に見えているので朝一の場所を外すとは非常にまずい展開だ。


2箇所目は両岸に岩場が続くエリア。
頭上に樹木が張り出しており日差しを少し避けることができるエリアで過去尺ヤマメ、尺イワナの実績も十分だ。
1箇所目が無反応だった不安もあり一目散にこのエリア一番実績の落ち込みに向かう。
ブラウニー5センチS(アユ)をアップにキャスト。
落ち込みの流芯脇に落とす。
少し沈めてアクションをつけアクションで出た糸フケを取るイメージで流れに馴染ませるようにリトリーブしてくると「ガツン」。
「やはりここには居た」。
水中で黒い影が走り回る。引きからしてイワナだろう。
フックが細軸なのが少々不安だがイワナ特有のグネグネしたファイトを楽しみながら魚を浮かす。
思ったよりサイズあり手持ちのネットが小さいが周りは岩場でずり上げるスペースが無いので無理矢理ネットイン。
40センチくらいのイワナだ。ちょうど近くの浅場にイケス状の場所があったので釣った魚を一旦そこに入れる。
1投目で出たので「まだいるかも」と思い魚のサイズも計らずキャスト再開。


1投目と同じ流芯脇にルアーを落としアクションをつけるとまたもや「ガツン」。
先ほどと同サイズの魚体が水中でグネグネ。
2匹目も何とか無理矢理ネットイン。
1匹目と同サイズのイワナを無事キャッチ。
イケス状の場所に一旦キープし3投目。またしてもヒット!今度は20センチに満たないヤマメ。
4投目からの数投はファイトで水中を騒がせたためかさすがにノーヒット。「いいサイズも出たしそろそろ移動しようか」。
と思いながらの数投目のキャスト。ルアーには食いつかないまでも落ち込みの白泡の切れ目で何かが追ったような気がした。
ふと、ずっと同じカラーばかり投げ続けていたことに気づく。
シルバーベースのアユカラーばかり使っていたのでここでゴールドベースの金黒OBにルアーチェンジ。
先ほどチェイス?があった白泡の切れ目でねちっこくアクションを加えているとルアーの後ろに黒い影が現れ白い口を開けたかと思うとブラウニーを「ガブッ」。
先ほどのイワナより暴れん坊できつめのドラグ設定のリールからラインが少し出て行く。引きを楽しみつつ場違いの?小さなネットに魚を無事ネットイン。
早速サイズを測ってみると43センチ。仙台近郊の渓流では大物と呼べるサイズに満足し浅場に一時キープしている魚達と記念撮影。
撮影後魚はリリース。先の2匹に関してはサイズを測らなかったが43センチのイワナと比べると40センチ前後といったところだろうか。


その後「この調子なら期待できるかも」。
と周辺を探るが反応がほとんどない。
高水温の為たまたま酸素量の多い落ち込み部分に魚が差していて貯まっていただけだろうか。
時間の経過とともに川に陽が射してきた。
顔を上げると木々の隙間から太陽が顔を出している。
シェードになっている部分を探ると小型魚がかろうじて反応する状況。
気温も上昇し額から汗が流れてくる。この時期ネックのアブのテンションも上がってきたようで自分の周りをブンブン音を立てながら徘徊している。


このアブが厄介物で気が付くと手に付いていたりしてまったく釣りに集中できなくなる。
しかも今日登場したのはスズメバチと見間違うかの大きさ、色の自分が一番嫌いなタイプ。


まだ釣りをしたい気持ちもあるのだがアブの数が尋常ではない。
アブに追われ足早に退路点へ向かう。
予想通りアブに邪魔をされ朝だけの釣りになってしまったが「この条件で40センチクラスのイワナが複数出たなら十分。
まだまだ仙台近郊河川も捨てたもんじゃないな」。
自分に言い聞かせアブに追い出される形で今回は強制的に納竿となった。

やはり夏場仙台近郊河川で釣りをする場合強制的に朝一勝負になってしまうようだ。
今回はたまたま選択したポイントにハニースポットが含まれていて何とか釣果を出すことができたがあの落ち込みのポイントを外していたら貧果で終わってしまっただろう。
夏場の渓流は朝一にどこに入るかで明らかに一日の明暗を左右するということを改めて実感した 。

(2011年8月)
ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行




Angler Photoアングラー ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行
トラウトのみに狙いを絞るエンスージアスト。中学生時代には小遣いを貯め、ザウルスのトラウトスピンとステラを購入。2時間以上の長距離もいとわずチャリンコで各河川に出没。豊富な情報量、情熱と行動力で日々、ビッグトラウトを追いかける。


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