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SAURUS > ケーススタディ & フィールドトライアル > Vol.4 [Case Study] 2012年早春のサクラマスを狙う!北陸編
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TOKYO ROD & GUN CLUB 田中 秀人Vol bottom line
2012年早春のサクラマスを狙う!北陸編
 ~ CDレックス!クイックトゥイッチンの全て
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いよいよシーズンの幕開け。皆さんにサクラ咲きますように!
僕のスタートは2月の九頭竜川か?北陸沿岸河川の河口部か?
両方の初回釣行を視野に入れながら、オープニングの作戦を解説してみたい。
今回は春のサクラマスをCDレックスで狙うタクティクスを中心に解説してみたい。


「TALKIN‘ ABOUT QUICK TWITCHIN’!!」


アグレッシブにシンキングミノーを操る、スタイル。
それが「クイックトゥイッチン メソッド」
7~8年程前になるだろうか、いち早くCDレックスを本流のサクラマス釣りのメインンウェポンに導入して、初期から終盤まであらゆる可能性を試しながらこのスタイルの探求に没頭した。ここまでザウルスのプラグ、MD9、TY-REX11、DEEP9、ヴィヴラで毎年サクラマスを狙い続けていた僕は、このCDレックスのメソッド開拓に全霊を集中するため、ここからCDレックスだけに自分を縛って使いきってサクラマスを狙うという意固地な世界に突入してゆくのであった。レックスMD9㎝は一番サクラマスを多く釣ってきた絶対信頼のミノーで、僕のサクラマス釣りには必須のメインウェポンだった。
そのMD9㎝を封印してでも新しいメソッドの可能性を追求することに決めたのだった。


そのころ僕のすぐ脇には、師匠の則 弘祐 氏が立っていた。


盛期になると強い瀬の中でもCDレックスをかなり激しく出し入れする。
その攻撃的なシンキングミノーのプラッギングを見つめていた則さんがつぶやいた。
「CDレックスを使った ファーストトゥイッチン・・・。いや流れのクイックトゥイッチンだな・・・。」
こうして、僕の試行錯誤しているスタイルにクイックトゥイッチンなる称号が与えられた。


こうしたトライ&エラーの中から積み上げたメソッド「クイックトゥイッチン」
数年釣りこんで、ある程度の形にまとまってきた気がする。
ざっとその概要を説明してみよう。


・「クイックトゥイッチン」とは?


CDレックスを使用して3Dに(立体的に)流れを攻める攻撃的なプラッギングスタイル。



・ロッドはやや強めのパワーが必要。


出来ればベイト。スピニングでも最も強い部類のサクラマスロッドが必要となる。
これは抵抗の大きなCDレックスを思い雪代の流れで攻撃的に動かすために必要な要素なのだ。沈めて送り込んで最も抵抗がかかる場所で、さらに強くアクションして縦にシャクリ上げてくるためにはパワーが必要だ。


推奨ロッド ベイト   「ZYベイトキャスター71クイックトゥイッチン」
            「ベイトキャスター80ノリス トゥイッチン ベイト」
            「70ベイトキャスター(増水時以外)」
ライン ナイロン12~14lbが基本でリーダーは状況により20lb又は30lb
    リーダーもナイロン同士の方がノットのなじみが良いが、状況によりストラクチャーが厳しい場合にはフロロカーボンのリーダーを使用する。


推奨ロッド スピニング 「トラウトスピン92HS」
            「トラウトスピン PE86HS」
            「トラウトスピン CD70HS」
ライン 10lbナイロン、PE1号~1.2号ほど 
リーダーは状況によるが20lbが基本。
最近 ベイトでしか釣りをしていないので、スピニング タックルにおけるバランスの深い話はザウルス軍団スピニング スペシャリストのケーススタディーを参考にしてください。


・ワールド スタンダード CDレックス


このヘビーシンキング ミノーが産まれて、クイックトゥイッチン メソッドが誕生し進化した。そしてこのミノーなくしてクイックトゥイッチン メソッドは成り立たない。
世の中に有るヘビーシンキングは似たような形のものは沢山あるが、CDレックスのように徹底的に流れに強く、ガンガン瀬の激流で足元まできっちり泳ぎ切るシンキングミノーはほかにない。
間違いなく激流で流れを噛んで泳がせて使える世界唯一のヘビーシンキングだ。その流れでの強さはザウルスのベストセラーミノー 「ミディアム ディープ 9㎝」と同等での流速で泳ぎ切るポテンシャルを備えている。
この遊泳能力に一発でほれ込んで、心中を決めた。


CDレックスは流れでも止水エリアでも抜群に威力を発揮する。
(流れの最強ミノーはあらゆるフィッシュイーターの住処で通用するということだ。)
止水で威力を発揮するが流れで使えない(流速に負けて飛び出してしまう。)ミノーは世の中にゴロゴロしているが。最後まで激流で、足元まで泳ぎ切るミノーは稀有だ。



・・・ロシア コッピ川での一幕・・・
則 弘祐 「CDレックスを使っていると、あらゆる状況に対応しちゃうから、使い勝手が良すぎてこれしか使わなくなっちゃうよ。特にベイトには最強だな!」
師のこの言葉が、全てを物語っていた。


これ以上の流れでとなると、もはやブラウニー以外にその領域で泳ぐミノーは無い。
アクションはかなり激しいウォブリングとローリングのミックス。
ブリブリともがきながら激流を横切る。
送り込んでフラッシングで誘う扁平な平打ちタイプのシンキングミノーでは絶対にこの激流をクロスで泳ぎ切ることは出来ない。
この流線型のズングリとしたシェイプがあの奇跡の泳ぎを産み出しているのだ。
この数年、本流の流れはこのミノーの使用だけに絞って使い切ってきたから確信が持てる。自信を持って言い切る。
CDレックスは「ワールド スタンダード」と言える最強のヘビーシンキングミノーだ。



CDレックスのもう一つの特徴は、フォーリングでの姿勢とその時のアクションにある。
フォーリングの姿勢は水平を保ち、さらにヒラヒラと舞うように左右に振れながら沈下してゆく。
すなわち、着水から沈下、リトリーブ、送り込み、シャクリ上げても、再度沈み込ませてもピックアップまですべての瞬間にミノーがアクションして常にターゲットのフィッシュイーターを誘い続けているのだ。
さらに重心固定のため、サイレントで魚がスレにくくポイントを荒らしにくい。
さらにはスレてシビアになっているターゲットにも静かにアクションのみでアピールできる。タフなフィールドでも絶対的な威力を発揮してくれるのだ。


あれほどの激しい動きで、さらに流れに強いというのは驚きだ。
普通動きの大きいミノーは止水では良いけれど流れには弱いと考えがちだろう。
CDレックスは唯一の例外だ。
強烈にモガキ苦しんでパニックアクションで激しい流れを引き裂きながら泳ぎ切るアンビリーバブルなファイナルウェポンなのだ。


激しい泳ぎであるがために、さらにチューニングを加えることが出来る。
多少チューニングで泳ぎを押さえても、普通のミノー以上に動いている。
先ずはウエイトのアップだ。
8.5㎝を例にとると、13g、14.5g、17gと3種類のウエイトで
ザウルストレインからオフィシャルリリースされている。
常識的に考えると、13gから17gまで同じシルエットでウエイトを上げると、ほとんど泳がなくなるのでは?と考えるだろう。
速引きか、フルトゥイッチか、高速ジャークか・・・と、アングラーが動かしてやらないとターゲットを誘うアクションが出ない場合も想像できるが、しかし・・・。
恐るべしCDレックスは先に述べたウエイト設定でもしっかりとアクションしているのだ。さらに重くてしても泳ぐミノーなのだ。
CDレックスは魚雷ではない。奇跡のウォブリン ローラーだ!!
(重くて普通のリトリーブで泳がないシンキングミノーを魚雷と呼びます。)
これは、基本ウエイトの13gの動きが強烈な、超が付くモガキ屋のためだ。
ウエイトアップで少し動きが大人しくなったとしても、十分派手なウォブとロールを見せて、バランスを崩さず足元まで激流を泳いでくれるからである。
ウエイトが重くなったら、多少強めにアクションさせるくらいの意識で十分オールラウンドに対応できる。

だからこそ、8.5㎝も7㎝もウエイトバリエーションの展開が可能であったのだ。
ウエイトが重くなってアクションを少し押さえるとなると、動きの性能自体が落ちるのでは?という疑問もあるだろう。しかし釣りこんでいる方ならピンとくると思うが、派手で大きなアクションだけが万能ではないということ・・・。
ナチュラルに抑え気味のアクションの方が反応の良い時も多い。
だから、あえてウエイトを上げてアクションを少し押さえてみるという変化もローテーション基準の片隅に置いておきたい。

さらにそれぞれに2gほどのウエイト+チューンをすることもできる。
ベリーのフックアイ付近に鉛のウエイトを貼る。
13gに2g足して、15g??
オフィシャル リリースの14.5gとの差別化は??
そんなに微妙にチューンして何が変わるの??
当然疑問がわくでしょう。
この2gのチューンには実はいくつか意味がある。
ウエイトをベリーに貼り付けることにより、
先ずはアクションの変化が産まれる。
ウォブリングの強いローリングミックスのアクションから、
ナチュラルで底に張り付くようなローリングが強調されたアクションに変化する。
そしてより低重心で流れの中で安定する(より流れに強くなる)というメリットも併せ持つ。
 
8.5㎝ 13g、14.5g、17gの3ウエイト。
 さらにはそれぞれ+2gのシンカーを貼ったチューニング
 7㎝ 9g、10gの2ウエイト。
 さらには+2gのシンカーを貼ったチューニング


ミノーの選択の幅がワイルドに広がってゆく。
20g以上にするとさすがに泳ぎはガタッと落ちるので、最も重くて8.5㎝の19g位をマックスの目安にローテーションのバリエーションを考え釣りを組み立てる。


・ウエイトバリエーションとアクションバリエーションの基本


ウエイトが重くなればより飛距離が出る、泳ぎは少し大人しくなる。
ウエイトが軽ければ飛距離が出ない分(と言っても13gだからかなりヘビーで飛距離も出る)、激しいアクションのアピール度が高い。


ウエイトが重くなれば沈下速度が速くなり、速やかに深場に送り込める。
水深が浅く流れの速い場所では沈下速度よりアクションアピール重視が良い場合も多い。


+2gウエイトも飛距離がその分+で沈下速度もその分+となる。
それよりも重視しているのはこのチューンでのアクションの変化。
特筆はアクションがローリング強調のナチュラルになるのが特徴。
アクションは状況によりローリング系が効く場合もあれば、ウォブリングが強い方が
効く場合もある。ローリング系からウォブリング系にルアーチェンジしたら即ヒット!
なんてことも多々ある。もちろんその逆もある。CDレックスのチューニングでこの状況の対応が出来る。
さらに付け加えると、ローリングになる分とより低重心になることにより、重い流れでより安定することがお気に入りの理由だ。


じゃあ全部ウエイト貼ればいいじゃない??って・・?
でもこんなこともある。
盛期の瀬で、CDレックス、クロスストリームのフルトゥイッチ・・
貼っていたシンカーを外してノーマルにしてフルトゥイッチ!
ミノーがさらに大暴れして流れを横切る(もちろん流れを飛び出さずしかも激しく瀬の中でダートしながらトゥイッチに反応!)CDレックス13gに一発でヒット!なんて逆のこともある。
要は、基本ウエイトのバリエーション、8.5㎝or7㎝のサイズバリエーションにウエイトチューンを組み合わせることにより、さらに攻撃的な戦略を立てやすくなるとご理解いただきたい。
今立っている流れに、どのアクションがどのウエイトが、どのサイズが、どのカラーがマッチしているのか?どのレンジをどのような角度でどのようなスピードで通すのか?
刻々と変わる状況とターゲットのテンションを考える。
フルトゥイッチで表層をずっと引いてくることも可能だし、ボトムを取ってなるべく底をトレースするよう引いてくることも可能。
要はトップからボトムまであらゆるレンジをCDレックスのバリエーションで探れるということなのだ。
しかも表層を引きながら途中からクラッチを切ってヒラヒラと舞いながら+1m水深まで送り込んで沈み込ませたところでアクションさせて誘ったり、逆にボトムからロッドを立てて一気に浮き上がらせて誘ってみたり・・・流れを横切る平面のUイフェクツだけでなく水深を自由に上げたり下げたりしながらコントロールする縦の3Dアクションが可能なのだ。
潜行深度も調整できる。たとえば本流の右岸に立ち、クロスストリームでキャストして流れをミディアムスピードのストレートリトリーブでただ引きした時の、U字ターンするときの潜行深度が70㎝だとしよう。
その流速で 11時方向のややアップに投げてクロスの位置まで沈めて同じリトリーブをしたら10㎝から20㎝深い深度を泳ぐだろう。
さらに、深く取りたいのならば10時の方向にキャストして正面まで沈める。
大事な点は流心にラインがとられないようにロッドを立てて送り込み、正面まで沈めてからロッドを立てたままリトリーブすること。
これで、13g、14.5g、17g、19gとウエイトを上げてゆけば同じキャストでも深度がどんどん深くなる。どのくらいでボトムが取れるか?どのくらいの抵抗のアクションでどのくらい浮き上がるのか?クラッチを切って送り込むと1秒で何センチ沈むか?
これは全てその場所の流れの強さ、重さ、速さ、流れの複雑さで変化する。
同じリトリーブでもU字がかかった瞬間から上流側にロッドを倒すと浮き上がる角度が強くなるし、逆に下流側に倒すと1m軌道が下流側に変化して、そのままのリトリーブより緩やかな軌道で浮き上がる。
こうしたアクションと、入水の角度、リトリーブの変化でどの泳層を通るのかイメージしたうえで、アクションの抵抗による浮き沈みを組み合わせ軌道の水深を想定してゆく。
その潜行深度を意識したうえで、上下左右に立体的に流れを泳ぎ誘うワンキャスト&ワンリトリーブ&アクションの演出を先に想像して作戦を組み立て、次のキャストにそれを実現するのだ。
投げて巻いて釣れた・・・じゃなくて、どう投げてどの深さをどのように通して、
どんなアクションで誘うのか全ての脚本を自分で書いて演出するのだ。
その軌道は時にはジェットコースターのようにアップ&ダウンとアンギュレーションが複雑怪奇に絡み合って何層もの流れが織りなすあの本流を切り裂いてゆく。
うまくはまれば、思い通りに狙って誘って釣ったと強く実感できる・・・。
オートマティックでなく、アグレッシブに誘って狙うスタイルが実現できることがこのスタイルの快感だ。
多くのヒットは縦に浮き上がろうとする瞬間、フッと沈み込んだ瞬間、U字にクロスがかかってミノーの頭がこちらを向き始めた直後のアクションの直後に集中している。


こうした特性とアクションを組み合わせた、クイックトゥイッチンのイメージはこうだ。
以前にも「サクラマスはネコじゃらしネコの定理」について書いたことがあったと思うが、もう一度説明してみよう。


・「サクラマスはネコじゃらしネコの定理」


「サクラマスは猫だ。」
リビングのソファーの脇に潜むネコ。
人間がやってきて、猫じゃらしを手に取る。
遊んで欲しい状態テンション爆発の猫は、最初の時点は猫じゃらしを手に取っただけでとびかかってくる。(これが、フレッシュでまだルアーを見たことのないサクラマス。はっきり言ってどんなルアーにもとびかかってくる。)
そのうち飽きて、反応しなくなる。
それではと人は猫じゃらしをシェイクしたり、左右に振ったりしながら猫を誘う。
(これがアクションで誘って釣るサクラマス。トゥイッチングにシェイキングにジャーキング・・・テクニックを駆使して狙う状況のサクラマス)
動きが変わると反応しなくなっていた猫が再びスイッチオン!!
激しくネコじゃらしを再度襲う。


しかしその誘いのアクションも同じアクッションを繰り返すとすぐに飽きてしまって反応しなくなる。(これが、タフでスレてしまって釣りにくくなっている激戦区のサクラマス)


さて猫じゃらしを持っている貴方ならどうする???
横に振っていた猫じゃらしを上下に動かしたり、上下と横とシェイクの組み合わせと・・スピードもストロークも複雑に変化させてさまざまなアクションを3Dに縦横にと動かしてやる。
すっかりやる気を失い、テンション低い猫がターゲット。
横だけの動きに飽きたローテンション猫に、縦の動きで再びスイッチオン!
一度だれてネコじゃらしに興味を失った猫が、再び息を切らしてとびかかってくるのだ。


このコンセプトこそがクイックトゥイッチンだ。
自由に潜行深度とアクションを変えられるCDレックスの攻撃範囲。
まさに縦と横に、時に激しく時に優しく暴れまわって、スレて反応しないサクラマスをチェンジ オブ ペースで強引に引きずり出すのだ。
ヘビーシンキングの釣りと言うと、スローでボトムを狙うと考えがちだが、僕のスタイルは表層からボトムまで攻撃的にCDレックスを送り込んだり、浮き上がらせたりと誘って釣るスタイルだ。
だからこそ、冒頭で「アグレッシブにシンキングミノーを操るスタイル。」と申しあげたわけだ。


・2月解禁 九頭竜川 最初期のサクラマス釣りを考える


激しいアクションのクイックトゥイッチンの話をしてきたがオールシーズンいつも激しくやるわけではない。
初期の釣りは、水温も低くてサクラマスの動きもまだ鈍い。
解禁日からビュンビュン ガンガン アクションを加える訳では無い。
比較的スローでじっくりとミノーを見せることを意識する釣りになるだろう。
適した水勢(ちょうどこの時期のこの水温でサクラマス定位するのに好む流れの強さ)は強い瀬ではない。どちらかと言うとトロ場がらみの大場所が中心だ。
トロ瀬の中にもふとした小さなスポットでそうしたサクラマスが付く流速が点在する。
そうした場所は初期の特Aポイントで当然多くの人が狙う実績ポイントである。
徹底的に叩かれている九頭竜川にもはや秘密のポイントなるものは皆無に等しい。
九頭竜川の解禁では前日の夜中からそのポイントの場所取りでアングラーがひしめいて、さながら九頭竜THE銀座となる。
そうした場所取りに加わるのか?
いい年して(ヒデ・・あっという間に今年48歳のおっさんです。ハッツハッツハ・・・!)
夜中から氷点下の河原で待ち続けるのは辛い部分もある。20代30代は寝ずに場所取りをして、日の出から日没まで、腰まで冷水に浸かってロッドを降り倒した。
長年それをやって、体を壊してしまった。
水温4℃で流れに浸る・・もはや丸一日 ゴアのウエーダーで冷水に腰までつかっての釣りは自重するようになった。
最初期はネオプレーンを履き、さらになるべくウエーディングを避けて、ポイントを考えることになるだろう。
そうなると最下流部のテトラなんだろうけど、ひたすら待ちの釣りも忍耐が必要だ。
実績のテトラでは一つのテトラでひたすら一日粘り倒す強靭な精神力の持ち主もいる。
ある意味尊敬するが、僕には苦手な辛い釣りだ。
できればラン&ガンでテンポよく行きたいが、解禁日の九頭竜川では不可能だ。


そうした状況で、アングラーが200人入って 10本強釣れたら、良い解禁日だと思う。
場所取り・・・ネバリ・・・その日のヒットの確率・・・。
総合すると、「解禁日に必ず釣りますよ!」
なんて豪語できるパラダイスのような釣りでは決してないのだ。
それでも、九頭竜の解禁日は出かけようと思うのは何故か。


本流のサクラマス釣りがスタートした、メッカの川。
いまだ人気が衰えず孤高の存在。
この川で一本釣る事の、もうその難しさと・・・
それ故にひきつけられる、この川のサクラマスの一本の価値。だから釣れても釣れなくてもこの川の解禁日には出かけたい。


「九頭竜川でサクラマス釣ってこそ、サクラマス釣り師として1人前。」
難易度が高いからこそ、九頭竜で釣った一本の孤高の価値・・。
則さんも口癖のように、敬愛を込めて九頭竜川のサクラマスを評していた。


・厳しい解禁日の九頭竜川にどう挑むのか?


さきほどから、弱音ばっかり吐いて釣れない九頭竜川の言い訳を並べてるだけじゃないかって?いえいえ、はなから諦めているわけではありません。
たしかに厳しいけれど、確率を上げる方法は有る。

がむしゃらにやった青年時代。
九頭竜川3年連続解禁日ゲット!や、解禁日と翌日のべ2日で3本ゲット達成の年が過去3回、とある年の解禁日 仲間と3人で4本ゲット・・・。(スポーツザウルス時代のカタログに掲載されたあの写真での出来事。64㎝2本、65㎝、66㎝ !全部65㎝前後の大型連発!生涯の思い出となった九頭竜川解禁日のワンショットです。)
見事に作戦がはまって、最高の解禁釣行の結果が出た年も何回かあった。


上手くいった年のパターンも含め、九頭竜川の解禁日に狙って釣るその確率を上げる方法を白状しましょう。


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九頭竜川2012年 解禁サクラマス釣行
釣果を上げる 11のヒント
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ヒント1:
根性と体力と健康が同居するならば、夜中からA級ポイントの場所取りだ!


ヒント2:
最高の実績A級ポイントで、ひたすら投げて巻く!
馬鹿野郎!!当たり前のこと言うな!!って・・。
すみません。でもこれが出来たら確率は最高に上がります。


ここからは少しでも確率を上げるために、ちょっとだけ考えた釣りを提案。


ヒント3:
好ポイントに立ったら、先ずはウエーディングするな!
朝一は手前の浅いところにサクラマスが付いていることが多々ある。
いきなりのウエーディングはポイントを潰す。
しばらく手前を攻めて、その後にウエーディングしてさらに奥を狙う。


ヒント4:
ヘッド&テール (ポイントの頭と、開き)
朝一は開きを狙え!
ポイントを一か所陣取る解禁日の釣りは、実績ポイントの開きの駆け上がりで
好結果が出やすい。同じポイントを押さえるなら開きを狙え。ポイントの頭に入ると絶好の開きに別のアングラーが入るぞ!!ポイントにもよるが、どちらかと言うと朝一は開きだ!


ヒント5:
地元組も含め、9時~10時までは朝一入ったポイントで移動するアングラーは少ない。
先ずは朝一ここと陣取った場所で9時、10時まで粘れ!
下手にすぐ移動すると、どこにも入れないかもしれない。
その時間を過ぎると、地元組は出勤。遠征組も一休み又はそろそろ移動となり、川全体がシャッフルされる。
冷え込んだ解禁日は朝一釣れずに、9時~10時にヒットしはじめる状況も過去にあった。朝一に釣れずともあきらめずこの時間までは一か所で粘る事。


ヒント6: 
9時~10時を過ぎると状況に変化が起こることが多い。
それは人の移動だけでなく、水量と気候の変化がスイッチとなる。
日が上がると気温が上がり(寒波の日は当てはまりません)ユキシロが出る。
この水量と水温と水色の変化でサクラマスが日中小規模の移動をするのだ。
具体的に言うと、開きに居たサクラマスが頭に入る!
ヘッド&テールの テールからヘッド(開きから頭)にサクラマスが入る。
ポイントの流れ込みが有って、その下流に開きがあるそんなポイントで、
雪代が出るタイミングで待ち伏せするのだ。
昼前にポイントを変えた後に一発目僕が狙う作戦だ。解禁日のこのユキシロ出始めの時合いパターンで過去に何本も10時過ぎにヒットさせている。
お昼前後になると、再シャッフル。
再び好ポイントの開きで一段下のポイントから動いてきた群れに当たったこともあった。
仲間3人で 30分間で4本釣ったあの日は11時過ぎにこのパターンにはまった釣果だった。この年の解禁日に僕が情報無含め確認できた釣果は、見事に九頭竜川全体で18本ランディングに及んでいた。

この年がこの15年において一番釣果が上がった解禁日だったと記憶している。
川全体が全くダメな一本も釣れなった年もあったし、5~6本が普通の状況。
10本釣れたら良い解禁日だと先ほども書いたけれど、
アングラーはのべ200人位入るぞ!!


ヒント7:
ポイントを移ったら、先行者と違うタイプのルアーを選択せよ!
カラーも反対色を使用する。
基本はユキシロを意識した派手目のカラーのローテーションだが、先行者が派手なカラーならあえてナチュラルカラーを選んでも面白い。
ポイントを入れ換わりで他のアングラーとすれ違う時には声を話かけてみよう。
「ルアーは何を使われてましたか?カラーは?」
教えてくれたら、その反対の事をやってみる。

喰わなかった奴が一発でなんてことも過去に経験している。
ただやみくもに入るのではなく、集中攻撃に飽きたサクラマスを、違うアクションやカラーで反応させるアングラーの頭の柔軟さを持とう。
これは解禁日ならずとも、激戦地でいつも心にとめておきたい注意事項だ。


ヒント8:
解禁日の午後からはミノーをサイズダウン!
CDレックスの7㎝がお勧め。CDレックスは7㎝でも#6のフックが乗るので、サクラマスもばれにくい。(サイズダウンしてフックが小さいとヒットしてもバレやすい)
九頭竜川で7㎝のミノーをサクラマス フィッシングで使うアングラーは少ない。
しかし魚がスレたら、サイズダウンは必須。僕は迷いなく自信を持って7㎝を結ぶ。
7㎝のCDレックスも必ず持ってゆこう。
実際ぼくは7㎝のCDレックスでサクラマスを九頭竜でヒットさせている。
九頭竜の話ではないが、白状すると昨年僕が全国で釣ったサクラマスの40%は7㎝のCDレックスでの成果だ。
ヴィブラの6㎝もこっそり忍ばせたい(フックを#6以上に付け替えることをお忘れなく。ノーマルは#8が付いているので、フックが小さすぎてバレやすいのでご注意!)

CD7㎝が良いなら、朝から7㎝を使えはいいんじゃない?って・・・。
解禁日の朝一はサクラマスがルアーを初めて見るので、サイズはやはりボリュームでアピールのある定番の9㎝前後から11cmが良いでしょう。

スレたらサイズダウン、これがキーワード!

ヒント9:
天候の変化を狙え!
天候の変化が有ると、サクラマスにスイッチが入ることが多い。
特に曇っていて、日が差してきたそのすぐ後にヒット!!は定説と言うぐらい多くの人が経験している。休憩中でも、曇りから日が差したらすぐに釣りを再開しよう。


ヒント10:
解禁2日目もあきらめるな!
解禁2日目に解禁日と変わらない釣果が有った年も記憶している。
特に初日の天候が悪くて、貧果だった場合2日目の天候回復で2日目も変わらず釣れる場合もある。
それとは別に、好調の年は魚のストック量が多いので、2日目もそこそこ釣れるというケースもある。初日好調ならば2日目もチャンスはかなりあるはずだ。

2日目は先ほどもお話しした、7㎝CDレックスの出番をお忘れなく!!

ヒント11:
寒波対策をお忘れなく!
ウエアー、インナーも含め防寒は当たり前だが、昨年は豪雪でカンジキが必要だったようだ。(昨年の私は怪我で松葉杖・・リタイヤしておりました。)
事前の気象状況と河川の積雪情報はしっかり把握しよう。
カンジキがないとポイントにアプローチできない可能性もある。
今年は特に寒さが厳しい冬が進んでいる。解禁日までさらに大雪も有りえる。
経験上、雪が多いとユキシロがしっかり出て、ビッグトラウトは当たり年になる。
現在列島を襲っている寒波が解禁日だけでなくシーズン通して良い方向に微笑んでくれることを願います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とにかく、九頭竜川のアングラーは釣りこんでいるスペシャリストが多い。
さすがメッカ!!
釣りこんでいる方には、こんな解説は「釈迦に説法」だったと思います。ご勘弁を・・。
あえて一つだけ取り入れるなら、CDレックス8.5㎝はもちろん、
皆があまり使わない7㎝も持って行ってください!!
あきらめムードの時にドラマが訪れるかも・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて当日、田中ヒデはどうするの?
前日九頭竜入りして川を見るところから始まる。
ショップに行って入漁券を購入しがてら情報収集もしたい。
そのうえで、作戦を組み立てる。
則さん御用達、お気に入りの松岡町の肉屋「前田かしわ店」で
「親鳥」と「もつ」を入手してノリスの愛したヴーヴクリコはお供に必須だろう。
前夜祭はキャンパー内だ。
呑み過ぎないように・・・(無理かな・・・)。
解禁日の朝は日の出1時間前には川に立とう。
夜中から出動する軍団には特A級ポイントを譲るけれど、その次のポイントでもチャンスは有ると思う。
しっかり今までの経験が生かされたなら、日中の変化のパターンがハマるかもしれない。
期待は膨らむが、釣れても釣れなくてもベストを尽くしガツガツせず、納得の狙った一本を目指して、アングラーズ ニューイヤーズデイ(北陸サクラマス釣り師のお正月は九頭竜川の解禁日!)を楽しみたい。



・2012年 新しきサクラマス フィールドへの挑戦


2月の釣行は九頭竜の解禁と北陸沿岸エリアの河口部開拓(寒くなければ・・・)にチャレンジしたいと考えている。
手さぐりとなるので、まだ報告する段階にないが、昨年までの仲間や友人の情報や釣果は確実に上がっている。
神通川、庄川、黒部川、その他富山県の河川の河口付近、新潟の各河川河口から沿岸部。
1月2月の情報は今のところ無いが、3月4月は釣れた情報がポツポツと入っている。
冬季は寒くて誰もやってないから釣果が聞かれないだけかもしれない。
やってみれば2月でも釣れるかもしれないとひそかに期待は膨らむ。


(寒くなければの話・・・くどいな・・・)

各河川の内水面漁協と県の水産課に周辺のレギュレーションをしっかり確認して違反の無いように注意したい。特に富山県の河川における河口近辺は河川ごとにかなり細かく規則が有る。
先ずは初春の遡上の初期から周辺のリサーチと現地踏査を始める。
実績河川の河口エリアは必ずサクラマスがかすめてゆく。絶対パターンがあるはずだ。
いきなり釣れるほど甘く考えていないが、自分の足で探って新規開拓するのは楽しくてワクワクするチャレンジだと思う。
結果を積み上げて、新しいフィールドとして紹介できるまで釣り込めたら合格かなと自分に期待している。
河口付近の河川内又は沿岸エリア。大潮回り、潮の動いている時間帯の時合いを集中攻撃、ルアーは派手な色?・・・CDレックス+ヴィブラも使ってみる。ロングロッド、PEのシステム。沿岸ではブルーレックス・・・シャロートプス、ソルティーブラウニー・・・。
新しいチャレンジが頭の中を渦巻いている。


全然ダメだったりして・・・。


新規開拓は自分自身に乞うご期待!! READY GO!!


サクラマスを愛するザウルスを愛するアングラー皆さんにサクラ咲きますように!
2012年 サクラマスシーズン いざスタート!!!!


2012年サクラマス初釣行 フィールドトライアルへと続く・・・・。)


(2012年1月)
TOKYO ROD & GUN CLUB 田中 秀人







Angler Photoアングラー TOKYO ROD & GUN CLUB 田中 秀人
トラウトプラッギングとワインを愛する工芸品アーティストでソムリエ。そして飛騨高山を愛する、田中秀人が綴るエッセイ。フィッシングのみならず、"旨い"話しを。


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