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SAURUS > ケーススタディ & フィールドトライアル > Vol.4 [Field Trial] 2012年 九頭竜川 全面解禁日釣行
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TOKYO ROD & GUN CLUB 田中 秀人Vol bottom line
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2012年 九頭竜川 全面解禁日釣行
 ~ これもまた真実のサクラマスフィッシング




 一路、北陸道を西へ。
2012年2月16日 いよいよ僕のサクラマス シーズンが始まる。
スタートはサクラマスフィッシングの発祥の地、聖地「九頭竜川」だ。
2月1日の九頭竜川初期解禁は猛烈な寒波のため回避した。
解禁日当日は釣りになったようだがその夕方からは大雪で、出かけていたら帰れなくなっていたかもしれない。
タラレバの話はやめにして、寒波を考慮して2月16日の全面解禁に向けて心をシフトした。


九頭竜川は2段階で解禁する。
2月1日は高屋橋上流から高速下流までのエリアが解禁して、
2月16日は高速上流から鳴鹿堰堤下流(堰堤直下は禁漁区)までの最上流域と
高屋橋から下流の最下流域が開き、全面解禁となる。
解禁日が2段に分かれるのは、狩猟の猟期との兼ね合いが有る。
2月1日解禁区間は狩猟の禁漁区だが、2月16日解禁のエリアは狩猟区域のため
2月15日狩猟期間が終了するまでは、ガンと狩猟による事故を防ぐため、このような2段階解禁になっている。 以前、漁協からこうした説明を受けた。


サクラマスフィッシングのみならず、今年の僕の初釣行がこのドライブ。
すでに一部解禁している今年の九頭竜川のスタート、2月1日の初期解禁日は10本近く釣果が確認されたようだが、下流のテトラ帯がほとんどで中流域の釣果は、まだほとんど聞かれない。
その後2週間もポツリポツリとは上がっているが、大きな釣果は伸びていない。
初期解禁以来2週間、中流域では数本片手の指で足りるほどポツリポツリの状態。


釣果が伸びない理由は寒波と減水。
ユキシロはほとんど出ておらず、川は渇水状態でサクラマスの遡上が遅れ、
遡上した鱒の上流域への移動も散発状態なのだろう。
解禁日から好調な年は寒暖の差で雪代が早くから出て魚が動き、解禁日以前からユキシロが出ている年には、魚がかなり上流まで遡上しているので、いろんなエリアで釣果が聞かれる。


今回の釣行前日に、地元ショップの情報を取ると積雪のためスコップとカンジキは必需品との事。
川は減水の情報・・さてどうする・・・。


すべてチェックを終えて、入漁券も入手して準備を整えてザウルストレインのモリと合流する。
彼はスコップを現地調達。
2人共もちろんカンジキにスノーシューは用意している。
この渇水の状況を見ると、上流域は厳しいかもしれない。
高屋より下流のテトラ帯が有望だろう。
でも僕らは上流域で釣りをすると決めている。
天邪鬼かもしれないが、上流域の渓相が好きなのだ。
時期に合った状況に合った釣りをしなさい!!って。
それは定石なのだろうけれども、こと九頭竜川の解禁となると、自分の好きなポイントでスタートしたいという初詣のような厳粛な気持ちが大きく心を支配する。
決してテトラで釣りをしないと縛っているわけではないけれど、
下流のテトラで待ち伏せする、ネバリの釣りより、ラン&ガンの活性のある魚を探しながら動く釣の方が性に合っているのも理由の一つ。


全面解禁の前日午後に九頭竜入りした僕は、先ず川のチェック。
カンジキを履いてポイントをチェックする。
案の定、渇水と駐車スペースの不足を確認。
けっして地元住人の通行の邪魔にならないよう心がけたい。


やはり「ハタヤの開き」でやろう。
過去の解禁日に何度も良い思いをした、絶好のA級ポイントだ。
最上流部のポイントを明日朝のスタートと選んで、前夜祭に入る。


初日は生ホルモンにヴーブクリコにカレラのシャルドネ。
松岡町の銭湯に入り、2日目はお気に入りの「前田かしわ店」にて
親鳥と地鶏の肉団子を入手して水炊きにカレラのピノノアール。


「あけましておめでとー!!」
乾杯の発声はお正月。
そう、九頭竜の解禁は僕らのお正月、アングラーズ ニュー イヤーズ ディなのだ。
額装された「則さんのポートレート」をテーブルに置いて、乾杯!
久しぶりにザウルストレインのモリとディープに語り合い、ワインに松岡の食材に、僕のプチ ダイナソー号(ミニ キャンパー)は大いに爆発したのであった。
とにかくあらゆるリミットを外し、飲んで喰って語った、最高の宴だった。
代償として解禁日に左足の先がやや疼いていた・・・。ざまーみろ!田中ヒデト。
自業自得。


駐車スペースを確保して、カンジキをはいてポイントまで長い道のりをラッセル。
釣りはほとんど書くことが無いくらい何事も起らず。
朝一にハタヤの開き 左岸。
寒くて、風も強くて、最悪のガイドの凍結で5投に一回 指先でガイドについた氷の塊を一つずつ取ってまたキャスト・・また凍結・・・その繰り返し。
モリも凍結したガイドの影響でAmb.2500Cのバックラッシュに苦しんでいる。
金属のアンバサダー・・・氷のように手のひらに響く・・
この過酷な状況に ベイトキャスター2人が吹きさらされている。


ポイントは貸切りの状態・・・でも何事も起らず。
対岸にも誰も入らないので、ポイントを対岸に変えて、それでも何事も起らず。
CDレックスがブリブリ泳ぐ、でも何も起こらず・・。


ハタヤの対岸で車を止めようとしていると、組合員のジモティー(地元の方)の爺様から、
「このあたりは早すぎるよ。釣れねーよ。ほら高屋橋あたりの下流の方が釣れるよ・・」
ちょっと意地になって「わかっちゃいるんですが、この辺りの渓相が好きなんです。それに、過去には解禁日に何回もこの辺りで釣ってますよ・・・15年この川に来ていますから・・。」だめだめ、むきになっちゃ・・。
「おお それはそれは失礼した。頑張って釣って行ってくださいよ。」
穏やかな組合員の爺様にかるくあしらわれた。


その後もポイントをラン&ガンで叩いて行くが何事も起らず。
場所によってはスコップで駐車スペースを作ってポイントに入る。
雪よけ、ラッセルで汗をかき、吹きさらされる寒風にこんどは悪寒が走るように芯まで冷えてゆく。
ラッセルは辛い。2人共に腰にきている。


ちょっと腰を下ろすと、モリが「あっつ!ヒデさん 疲れてやがんの!!」と、
すぐにチェックが入る。
「ちょっと腰が重いだけだよ・・・」
意地になってすぐに立ち上がってキャストを再開する。
そして2人とも、夕方まで30分の昼食以外は休憩もとらず12時間引き倒した。
むきになって弱音は吐かない2人の意地と意地。


調子が良かった年の全面解禁日には自分のゲットも含めて、ハタヤだけで4本前後ランディングされた年が過去に何回かある。
でも、今のハタヤの状態は生命反応すらない。


とにかく上流域はガラガラで、ハタヤの開きは僕ら2人、幼稚園前5人ほどその対岸2人。
五松の下流域から高速まで5人ほど・・。
雪が多くてラッセル。渇水で上流域への遡上の期待薄と判断されたためか、全面解禁でこんなに空いている九頭竜川サクラマスエリアの最上流域は初めて見た。


結局 本日解禁エリアの上流ではヒットの情報もなし。
あそこでは出るだろうと思っていた、高屋橋下流のエリアでもゼロ・・。
解禁日は上流に居たので、高屋橋近辺に何人入っていたか定かではないが、その近辺は足場もアプローチも容易なので、かなりのアングラーが入っていたと思われる。
結局 解禁エリアでの釣果は川全体でゼロであった。
九頭竜川全体では JR下で一本上がったようだ。ここは2月1日に解禁しているエリアで、全面解禁とは関係なし・・


解禁釣行の総評として思うことは、一度水が出ないと厳しいかなと・・・。
激しく無残にも弾き返された解禁釣行でありました。


見事、何事も起らなかった解禁日。
しかしシーズンはこれから・・・・今始まったばかりだ。
今後の天候と水量の変化を気にしながら、又足を運びたい。


さてさて、これで終わらないのがザウルス流。
この釣行にはおぞましい落ちがある。
九頭竜川全面解禁 2日目の朝は小雪混じりの寒い朝。
モリはロングドライブのため釣りをせず朝起きて早々に東京へと向かった。
僕はしっかり釣りモードに入り五松橋の下流へ向かう。
午前中は釣りをして午後に移動の予定だったが、釣りを始めた途端に物凄い
吹雪になり、即ストップ フィッシング・・。



明日は所用があり、どうしても今日中に帰宅する必要がある。

帰れなくなるといけないと思い、すぐに北陸道を富山方面に向けて走りだす。
さらに突風・猛吹雪になり、北陸自動車道は全面結氷のシャーベット状態。
50キロ制限&チェーン規制の中、ようやく金沢までたどり着くと、凍結によりノロノロ運転の大渋滞にはまる、その後富山西~富山まで事故のため通行止めとなり、途中白川郷方面にルートを変えて高山を目指す。
あえて豪雪地帯に突っ込んでゆく・・・・。
涙がチョチョギレル・・・2日前は2時間強で到着した九頭竜川、帰りは6時間以上もかかって、命からがら帰宅。


5年くらい前にも、岡山の東郷君と同行の九頭竜解禁で同じような事が有った。
その時は油坂峠方面から8時間以上もかかって飛騨高山まで辿り着いた。
それ以来の悲惨な体験。
思い出したくもない、恐怖のドライブ・・。
・・・・・・・・・・・・・
釣果ゼロ・・厳しい自然の猛威・・・


ここはどこの細道じゃ。
九頭竜様の細道じゃ。


「ゆきはよいよい帰りは怖い・・
怖いながらも通りゃんせ・・・通りゃんせ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・
これもまた真実のサクラマスフィッシング。
この試練を越えて一人前のサクラマス釣り師になるのだ。


九頭竜川を去る時に暴風雪のはるか彼方から、雷神の声が聞こえた・・・。
「ざまーみろ タナカ ヒデト・・・ケッッケッッケ・・・」
                 
(解禁釣行 終わり)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・釣れなかったお詫びに番外編・・・・・・・・・・・・・・・・・・


~北陸旨いもん 紹介~


北陸名産 「富山のマス寿司」
近年は鱒の価格高騰で、アトランティックサーモンを使っているマス寿司屋も多いと聞く。
ちょっと他とは違う本物のこだわり、小さなお店を紹介します。
僕の御用達は 富山市 諏訪川原にある「関野屋」
間違いなく地元産の最高のサクラマスを使っています。


数ある鱒寿司屋のなかでヒデの一押しはこのお店!
今回も家へのお土産はこのマス寿司
店先の調理台には当日も、間違いなくサクラマス!
脂ののったブットイ魚体。今も富山湾にうようよしています!!
地方発送もしてくれます。
当日も地方発送の鱒寿司の荷物が30個以上山積みされていました。
ワインとの相性もばっちり。
シャンパンと共に頂いたらもう悶絶です。
苦みの強いナッッィーなシャブリや酸味の強いソービニヨンブランも相性GOODです!


富山名産 鱒寿司
「関野屋」(有)庄右衛門
富山市諏訪川原3-4-12
tel:076-421-0439

お試しあれ!!

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(2012年2月)
TOKYO ROD & GUN CLUB 田中 秀人







Angler Photoアングラー TOKYO ROD & GUN CLUB 田中 秀人
トラウトプラッギングとワインを愛する工芸品アーティストでソムリエ。そして飛騨高山を愛する、田中秀人が綴るエッセイ。フィッシングのみならず、"旨い"話しを。


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