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SAURUS > ケーススタディ & フィールドトライアル > Vol.4 [Case Study] 2012年のサクラマス・シーズンを占う / 解禁釣行
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ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行Vol bottom line
2012年のサクラマス・シーズンを占う / 解禁釣行
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前回のケーススタディでは「2012年のサクラマスを占う」と題し2012年に自分が行くと思うフィールドについて大まかな説明をしたが今回は「初回の釣行、解禁釣行のスポットを当ててお願いします」。とのことなので年々盛り上がりを見せている厳冬季(1・2月)のサクラマス狙いについてもう少し詳しく書いていきたいと思う。
なお、自分が冬季にサクラマスを狙う河川は自宅から4時間くらいかかる遠征の部類に入るので遠征アングラーが冬季サクラマスを狙うということで書いていきたいと思う。


◎河川選択

・厳冬季の1・2月に東北でサクラマス釣りが解禁されているのは青森県、秋田県、山形県、宮城県。

日本海側と太平洋側では海水温の違いからか例年日本海側の方が早めに魚が接岸し、初期から河川へのまとまった遡上が見られる傾向がある。
よって、過去の傾向から仙台から時間はかかるが厳冬季にサクラマスを狙う場合自分は山形県と秋田県の河川を目指すことが多い。
秋田県、山形県共に冬季からの実績河川は数あるが自分の釣りスタイル・過去の実績から秋田県の場合雄物川、山形県の場合最上川に足を向ける。
両河川とも各県を代表する大河だ。


◎河川ごとの特徴

―雄物川―

・冬季は11月1日から2月末日まで遊漁OK。

河口に近い秋田大橋周辺でフレッシュランの遡上待ちの釣りと中流域ランガンの2パターンで釣りを展開しているアングラーが多い。
全体的に水深があるゆっくりとした流れで変化に貧しく中流域は岩盤や流れの変化している所すべてがポイントと言える。

仲間内では河口から45キロくらいまでの間のポイントを狙うことが多いが遡上数が多かった年は2月に河口から80キロくらい上流でのヒットの話しもあったのでまだまだ上流部の開拓の余地がありこれからが楽しみな河川。
例年であれば1月上旬に最初の釣果が聞かれ2月の禁漁に向かって尻上がりに釣果が増えていく(今年も1月上旬に最初の釣果が聞かれた)。
自分のような遠征者が狙うなら河川内のサクラマスの絶対数が増える2月中旬~禁漁の間が安全策だろうか。


―最上川―

・1月1日に解禁となり山形県の規則では9月30日まで遊漁可能。

気温が高くなると大量の雪代の流入により濁流となるので例年であれば遡上が始まる2月上旬から雪代流入前の3月下旬~4月上旬までが釣期。雪の少ない年であればGWまで釣りができることもあるが稀な例。昨年は4月10日前後に大量の雪代が流入しシーズンオフとなった。
今現在流域には例年以上の雪があるので今年も雪代が出始めたら止まらないと思う。
3月になり数日暖かい日が続いたら一気に雪代が出てシーズン終了!なんてこともありえるので3月の早いうちに何とか1本取っておきたい。シーズンが早く終わるか長く楽しめるかは3月の気温次第。
最上川での大まかな狙い方を分けると河原にウェーディングして流れの変化を探りながら釣り下って行くスタイルと随所にあるテトラ帯の流れの変化を狙って車で移動しながら釣りをする方が多い。
自分が狙うエリアとして上流は立谷沢川の合流点から下流は高速下のエリアまで。
初めて訪れた方は川幅の大きさに戸惑うと思うが意外に瀬やカーブ、テトラ帯など地形変化が多くサクラマス自体が遡上している魚なのでどこにでもいる可能性がありポイントは無数と言える。河川沿いに道路があるので初めて訪れる方はこの道路を走りながら気になる地形変化を探していくといいと思う。
日本三大急流の一つとあって下流域でも流れの押しが強いので無理なウェーディングは禁物。増水により毎年のように地形が変化するので新しいポイントを探しながら釣りをするのも楽しみの一つ。


◎タックル

―ロッド―

両河川とも川幅のある本流の為TS92HSをメインで使用。
両河川で使用頻度の高いレックスMD9センチはもちろんのこと30グラムまでのルアー対応なのでディープゾーンを直撃できるCDレックスやヴィブラなどの重量級ルアーにも対応する張りを持っている。
また今シーズン発売になったTS-PE86HSもルアーウエイトが25グラムまでと重量級ルアーに対応しロッドの長さも大河川にあっているので使用予定だ。


―ライン―

メインラインは冬季ということでPEラインは凍結などのトラブルが予想されるのでナイロン10ポンドを基準に使用。
リーダーはナイロン20ポンドが基準だが冬季ということで深度の深いヴィブラやレックスディープの使用が増えることから根ズレに強いフロロカーボン素材の14、16ポンドラインの使用を考えている。


―ルアー―

この2河川でのメインルアーはレックスMD9センチ。このルアーに関しては今さら説明の必要のないくらいの実績ルアーだ。
レックスディープ9センチはトリケラディフェンダー効果で引き重りがしないのが特徴。メインで使用することは少ないが足場が高いポイントで足元まできっちり泳がせたい時やテトラ帯などを攻めたりする際に効果的。
CDレックスシリーズは使いこなせればシャロ―からディープまでをカバーできる最強ルアー。ブリブリ系のアクションで引き抵抗があるルアーなのでスピニングよりもベイトタックルでの使用がおすすめ。
今年、自分が注目しているのはヴィブラ6.5センチ。
数年前2月の雄物川で自分がレックスMD9センチやレックスディープ9センチで散々探ったポイントで後から入った花巻市の直也さんにヴィブラであっさり釣られた記憶がある。
また同じ宮城県の仲間の奥田さんはヴィブラの使い手で毎年当たり前のようにヴィブラでサクラをキャッチしているので今年はその技を吸収してやろうと目論んでいる。


―カラー―

よく聞かれるのが「何カラーが効果的ですか?」。そして聞かれて困るのがこの質問。ルアーカラーに関しては仲間内でも度々話題にあがるのだが相手は未だに謎の多い魚「サクラマス」。特に効果的なカラーがあるのならこっちが聞きたいのが本音(笑)
ルアーカラーを変えてのヒットの話しはよく聞くのでサクラマスはルアーカラーを認識していると思って自分は釣りをしているのだが・・・。
過去の実績から自分が最低限ベストに入れておきたいカラーをあげるとすれば
ブルーバック、OB、金黒OB、アユ、ピンクバックOB、チャートバックOB、アクアマリン、金赤。
ま、メインと言われるカラーほとんどですね・・・。


◎冬季のサクラマスに出会うための条件

―遡上―

当たり前のことだがターゲットのサクラマスが遡上していない状況ではヒットするわけがない。
各河川とも例年「この時期になれば遡上がある」。といった目安があるのだが不思議とサクラマスはその目安通り毎年姿を現す。
近年はネットが普及し「○○川で釣れた」。といった情報は昔よりだいぶ入手しやすくなった。
1匹釣れたということは同じ時期に接岸し同じタイミングで川に入った魚がいるかもしれないので釣れた情報が聞かれていない川よりは1匹に出会える確率が単純に上がると思う。


―天気―

厳冬季の日本海側ということで風が極端に強い悪天候の日の釣行は避けたい。寒波の影響で川が凍っていてただ川を眺めて帰路についたり、川が逆流するくらいの西風が吹いたり・・・。帰りの高速が吹雪で通行止め・・・。疲労だけが残ります。
過去悪天候時に無理して釣行してよかったことはないので理想はこの時期数少ない晴れの日。さらに風が弱く気温が5度くらいまでじわじわ上昇し肩に陽のぬくもりが感じられるくらいの天候が理想。あ、自分が釣りをするうえでは・・・(笑)
昔は晴れが2日続くと「2日目の方が水温も上昇していいかも」。と、思ったりもしていましたが以外に前日猛吹雪でも魚さえいれば晴れの1日目の午前中には釣果が聞こえてくるくらいなので最近は水温上昇を気にしなくなりました。
ポイントに魚が入ればすぐヒットするのが冬季のサクラマスだと思っているので悪天候で誰も釣りに行かないような寒い日が続いた後の寒さが緩む晴れ間のポイント一番乗りは魚にプレッシャーがかかっていなくてある意味チャンスかもしれない!?


―時間―

雄物川では狙ったそのポイントに魚が入っていれば5投以内でヒットすることが多いですし(冬季の遡上量の少なかった昨年ですらその傾向があった)、最上川の有名ポイントでは朝一に入った1、2番目流しの方が魚をヒットさせているのをよく目撃するのでやはりその日1番というのは冬季でも大事な要素かもしれない。ただ、盛期みたいに朝一にヒットが集中するわけではなくその後も時間帯に関係なくランダムにヒットしている印象がある。盛期に比べ居付くサクラマスが少なく常に遡上モードの魚が多い為なのか詳しい理由はわからないが・・・。
また、冬季はよく「雲間から太陽が顔を出し太陽光が川に入った途端ヒットした!」という話はよく聞きますし自分も体験しています。これも理由はわかりませんが実際に経験済みなので時間を問わず「雲間から太陽が顔を出した時」は間違いなくチャンスです。


―水温―

「天気」の所でも少し触れたネタですが昔は川へ行く度に水温を計っていましたが最近は計っていません。「この水温じゃ・・・」と、自分が諦めた後「友人がキャッチ!」というのが何度かありました。水温1度台でもヒットする魚はヒットしますし夏場は25度を超える水温の中で夏を越すサクラマス。水温変化には強く低水温には特に強い魚だと思っています。逆に連日水温3度台でポツポツ釣れていて運よく水温が5度くらいまでに上がる日に休みがあたり「今日は爆発するぞ!」と、思っていたらその日は川全体で0だったこともあります。現地に着いて悪天候や川が凍っていない限り水温を気にせず諦めずキープキャストが冬季のサクラマスへの近道だと思っています。


―潮―

太平洋側河川では潮の干満でヒットが集中しそうな時間を予測できたりするので重要項目の一つと考えますが干満の差が少ない日本海側河川ではあまり気にしていません。最上川、雄物川の両河川ともに自分は河口域であまり釣りをしないので尚更気にしていません。


―増水―

冬季は水位が低い状態が続いているので増水は魚の遡上行動を促進する働きもあると考えチャンスととらえます。狙いは盛期と同じで増水中ではなく増水後の引き際の笹濁り状態のタイミング。すでに川に入っている魚のテンションも上がるでしょうし新規のフレッシュランも期待できます。
ただ、この時期の増水は雪代を伴うことが多く普段の雨による増水よりも引き際を予想することが難しいのが遠征アングラーにはつらいところです。
2日くらい日程があるのなら予想が外れて1日は捨てることになっても笹濁り時にあたりそうであれば行くことをオススメします。増水後の笹濁り時は驚異の爆発力を持っています。




◎その他

冬季にサクラマスを狙う方が増えてから駐車トラブルもよく聞かれます。雪によって駐車スペースは少ないので駐車の際は地元住民とトラブルにならないように細心の注意を!
また、毎年雪にハマって動けなくなる車を見かけるのでスコップや牽引ロープはあった方が無難です。雪で駐車スペースがなく駐車できる場所からポイントまで長い距離を雪上ラッセルしなければいけない場合もあるので金銭面に余裕があればスノーシューなどがあると便利かもしれません。雪中行軍で汗だくは間違いないので着替えも必要です。

最上川、雄物川ともにサクラマスが魚種認定されているので釣りの際は遊漁券が必要です。両河川とも抽選とかではなく日釣り券さえ買えば誰でも遊漁を楽しむことができます。遊漁券の購入は各河川最寄りの釣具店で。

この原稿を書いている今現在、連日大雪被害のニュース。各地で今季の最低気温を更新し続けている。
2月いっぱいで禁漁になる雄物川の遊漁券は購入済みだが今年の大寒波で今後どうなるか予想できない。
最上川の方は3月になれば雪が解けて駐車スペースができ釣りにはなると思う。しかし、この雪の量からして雪代の量も半端ではないと思われる。3月上旬~中旬まですでに出張の予定が入っているので最上川で自分がサクラマスに会えるチャンスは出張から帰ってきてから雪代が流入するまでの数日間。
ついにボウズのケーススタディ検証編になるかもしれない。
ターゲットはまだまだ謎の多い魚「サクラマス」。現時点で自分が思っていることを文章に綴ってきたが何が正しくてそして間違っているか、「釣れた」ではなく「釣った」と言う為に未だ毎釣行が試行錯誤の状態。かなりの年月をサクラマスに費やしてきたが未だに毎回新しい発見の連続。
実際には正解も不正解もないのかもしれないが机上の空論より実際に自分なりに考えてフィールドに通い数多くの魚を手にすることで自分なりの答えへ近づくことができるかもしれない。
相手は生き物、答えは人それぞれ。今現在の自分の考えにどう納得して1本の魚と関わったが大事だと思う。
今年も各地からサクラの便りが聞こえてきた。時間を作って自分なりの納得の1本を求めて2012年のフィールドへ出かけたいと思う。自分らしくそしてザウルスらしく。

(2012年2月)
ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行







Angler Photoアングラー ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行
トラウトのみに狙いを絞るエンスージアスト。中学生時代には小遣いを貯め、ザウルスのトラウトスピンとステラを購入。2時間以上の長距離もいとわずチャリンコで各河川に出没。豊富な情報量、情熱と行動力で日々、ビッグトラウトを追いかける。


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