2014解禁日 九頭竜川釣行 |
近況
「今年は解禁日に九頭竜川へ行く!」と決めてからは国土交通省「川の防災情報」で九頭竜川(中角)の水位を毎日チェックしていた。 多少の増水はあったもののサクラマスの呼び水となりえる大きな増水はなかった。 九頭竜川より先に解禁している秋田県のサクラマス河川では1月20日くらいからサクラマスの釣果が聞かれていたので九頭竜川にもたぶん魚は入っている。 ただ、自分が釣りをしたい中流部には魚が入っているだろうか? いざ九頭竜川へ!
1月29日深夜仙台から東京へ。 東京での仕事をこなし1月31日早朝東京を出発。 1月30日に雨が降り水位データを見ると中角水位で0.90近くまで増水している。 濁りは大丈夫だろうか? しかしここまで来て後戻りは出来ない。 いざ、北陸へ!! 東名高速が思ったより空いており福井市へは昼過ぎに到着。 地元の釣具店「越前フィッシングセンター」さんで年券を購入。 情報や今年の予想などを聞き九頭竜川へ。 下見
始めての河川なので下流の高屋橋から順にポイントを見ていく。 上流から下流まで変化に富んでおり場所に合わせて色々なスタイルの釣りができそうな河川だな。というのが第一印象。 また、暴れ龍の名にふさわしく九頭竜橋上流の入り組んだ中洲の分流群は独特の形状。 東北の大体の河川には訪れているがこのような迷路のような流れは中々ない。 気になる河川の状況だが増水の影響で多少濁っているが釣りには問題ないレベルでホッとする。 逆に増水からの水の引き際でチャンスかもしれない。 さて、ポイント選択だがどうしよう。 実際川を目にして自分が一番気にいったのは高速の橋から鳴鹿大堰の区間。 自分が好きな閉伊川のような落差がある瀬で構成されている。 ただしこちらは残念ながら2月16日の解禁エリア。今回はまだ禁漁中。 解禁エリアで気になるのは事前にネットの画像等で目をつけてきたポイント2ヶ所。 下見で気になった1ヶ所の計3ヶ所。 下見で気になった1ヶ所は重機が入り工事の真っただ中。立ち入り禁止の看板も有り強制的にスル―。 ネット画像で気になっていた1ヶ所は実際見てみると表面的な流れはいいのだが思ったより浅く懐がなさそうなので微妙。 下流から順に見て行くが「ここだ!」。と、思えるポイントがなくダラダラ中流域まで遡上。 そしてネット画像で気になって最後の1ヶ所に到着。 川を見てみると東北河川の某1級ポイントと形状が酷似しており自分のイメージ通り。 水深も有り懐と申し分ない。 「解禁日はここだ!」と、即答したかったのだがネックは1点。 サクラマスの呼び水となる増水が無かったためこのポイントまで魚が遡上しているかどうか?ということ。 魚がまったく遡上していない可能性だってある。 時間とお金をかけてのせっかくの遠征。確実に魚を取りたいなら下流域。 しかし下流域だとテトラor護岸フィッシングになってしまう。 自分が九頭竜川の動画を始めて観たのは則さん主演のザ九頭竜川のVTR。 その頃から自分の中で九頭竜川=流れの瀬釣りというイメージがあつた。 ここでいきなり下流部に手を出してしまったら自分の今まで積み重ねてきた九頭竜川のイメージがガラガラ音をたてて崩れてしまいそうな気がした。 自分の中での葛藤の結果導き出した答えは「魚が入っていない可能性もあるが解禁日の朝一は中流域のこのポイント!」。 始めての九頭竜川。 やはり流れの釣りで今シーズンをスタートさせたいし今まで培ってきたポイントを見る目を信じて中流域のポイントをスタート場所に決めた。 実釣
AM3時起床。 身支度をして昨日のお目当てのポイントに入りたいので仲間2人とAM4時にはポイントへ向かう。 運よくポイントに一番乗り。 2月とは思えない無風で寒さをあまり感じない。晴天のようで空では星が輝いている。 このポイントだが距離にして200~300メートル。 左岸にはテトラが入っており右岸からはウェーディングの釣りとなる。 自分が選択したのは右岸からの釣り。 流れは瀬からの落ち込みが開き。そしてまた次の瀬へ。と変化に富んでいる。 自分のなかでの本命は開きの部分。 この開きの水面上の流れを見る限り崩れたテトラか何かが沈んでいるようだ。 また下流の次の瀬への瀬肩のカケアガリも気になる。 本当は瀬の頭から釣り下りたいのだがさすがに人手の多い九頭竜川の解禁日。 一か所のポイントを占拠するわけにはいかないのでポイントの上部は後から来た方々に譲り中間部の本命ポイントからキャストをすることとした。 ロッドに関しては中流部と言え川幅があるのでTS92HSを選択した。 AM6時半過ぎ辺りが明るくなり始め周りの状況が見えてきた。 対岸に数人、上流に数人が同じく夜明けを待っていた。予想より人手が少ないのはやはり朝一は下流部に人が集中しているためだろうか? そろそろキャストを開始しようかと川を眺めているとまだ薄暗い時間帯に対岸斜め下流の方にいきなりヒット!そして無事ランディング。 「魚は確実にいる!」。 いよいよ九頭竜川でのキャスト開始。 数キャストごと少しずつ釣り下って行く。 ルアーはレックスミディアムディープ9センチを選択。 カラーは昨日の濁りがまだ取れきっていないと思いアピール系カラーを最初投げていたが思ったより濁りが取れていたので途中からナチュラルカラーのブルーバックに変更した。 アクションはタダ巻きにアクションを軽くかける程度。 本命の水面の変化付近を重点的に攻めるが何事もない。 「魚影が薄く朝の1本でこのポイントは終わりだろうか?」期待が不安へと変わっていく。 ついにこのポイントの最後の立ち位置へと釣り下って来てしまった。 開きが終わり瀬肩の浅く流れが速くなっていく部分。 流れが速くて立ちこみすぎるのは危険だが流れさえなければ水深はそれほど深くないためかなり沖まで入れそうな場所だ。 まずは立ちこまず岸から広く探ってみる。 1投目。ルアーの後ろで何かが光った気がした。 2投目。異常があった辺りを丁寧に探ってみると突然サクラマスがチェイス。 食い気はあるチェイスなのだがこの下流で右岸側に流芯が寄っているため右岸側に向かって徐々に流速が増していく地形。その為こちら側に近寄るにつれて流速に変化がありすぎるためだろうか魚がルアーを見失い気味。 結局足元まで来てしまいルアーをピックアップ。 この後の魚の行動は普通に考えれば2通り。 元の付き場へ戻っていくかまったく関係ない場所へ走り去るか。 元の付き場に戻った場合まだまだヒットの可能性がある。 しかしこの魚の行動は違った。 ルアーをピックアップした場所に定位してしまったのだ。 ロッドティップで触れる距離をゆらゆら泳ぐサクラマス。 上流から回り込んでダウンで引いてみる手も考えたが自分が動くとサクラマスに感づかれて逃げられてしまうだろう。 モーションを最小限に抑えたサークルキャストでキャスト。 ルアーが着水し泳ぎだした瞬間定位していたサクラマスがルアーに猛突進!! 割れる水面、手元に伝わる重み。 想定外のヒットの仕方だ。 至近距離でヒットした魚は総じてバレやすいものだがフックの掛り箇所を確認するとお腹のフックがいいところに刺さっている。 浅場でのヒットの為魚が走る度に水面が割れる。 最高にエキサイティングなファイトだ。 仲間たちもヒットに気付きこちらに近づいてくる。 ラインが切れなければ間違いなく取れる!! そう思った次の瞬間フッと手元から魚の重みが消えた。 ラインを見るとリーダーは付いている。 「スナップの結び目で切れたか!?」 スナップは・・・。ん!? なんとスナップが破壊されポッキリ折れていた。 頭から丸呑みにされた上、至近距離でのヒットだったためスナップに変な圧力がかかってしまったためのスナップブレイクだろうか? いずれにせよ長年サクラマス釣りをやってきたが初めてのバラシ方(後日友人の飛騨高山のひでさんもスナップブレイクによるバラシ経験があると言っていた)。 ここまですべてがうまくいっていただけにこれぞ九頭竜川の竜神の洗礼かはたまたあの方のいたずらか・・・。何だかあの高笑いが聞こえた気がした・・・。 バラシた後もサクラマスは口に付いたルアー外そうとしているのかヒットポイント付近で何度も大ジャンプ。 せっかくヒットしてくれたのにごめんよサクラマス・・・。 このポイントでは他に異常なく午前10時過ぎにポイント移動。 次のポイントを探して移動を試みるがまったくポイントが空いていない。 中流域の狭いポイントでも両側にアングラーが入りラインをクロスさせながらキャストさせている状況。さすがサクラマスの聖地九頭竜川。人出が凄すぎる。 何とか人の少ないポイントを見つけて入川するがどこも人が入った形跡がある。 人の入った後ならサイズダウンだ!と、CDレックス7センチやスパシン6センチを投入しキャストを繰り返すがストップフィッシング。朝一の珍事以外は何事もなく九頭竜川の解禁日は終了した。 解禁日2日目は朝から雨の日曜日。 2日目な上に雨なのでアングラーが減るかと思いきや暗いうちから各駐車スペースには車が数台。 ポイントに到着時には狙いの場所は満員御礼。 何とか空いている場所でキャストを繰り返すが闇雲に時間がすぎるだけで朝一終了! タイムアップ。 総括
今年の解禁日は天候に恵まれた為か解禁日に確認できた釣果は例年より多く20本前後。 しかし釣果の大半は敬遠していた下流域での釣果で中流域での釣果は片手で足りる程。 さすがに九頭竜川初挑戦で初キャッチとうまいように話しは転ばなかったが魚影の薄い中流域の狙ったポイントで魚をヒットさせることができたことに九頭竜川初体験の身としてまぁまぁかなと思っている。 今年は九頭竜川の年券を購入したので自分が住む仙台から近い距離ではないが最盛期に再度リベンジしたいと思う。 (2014年2月)
ザウルス R&D スタッフ 粕谷 直行
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