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> Vol.5 [Case Study] 解禁日 in 三面川
解禁日 in 三面川
解禁日 三面川 釣行
フィールドの概要
新潟県村上市を流れる三面川。
何といっても古くから鮭鱒の増殖事業に取り組んできたこの川と村上には歴史の重みがある。
特にサクラマスに関しては早くから遊魚者へ門戸を開き積極的に推進してきた経緯もある。
上流は三面ダムより下流の本流全域と支流の高根川が今回のフィールドとなる。
水質は基本的にクリア。雪代が治まれば相当の雨でも降らない限りはこの川が濁る事はまずないと思う。ダムの底から水を抜いているのでシーズン後半になってもサクラマスのコンディションはすこぶる良い。
まずこの川で釣りをするための必要最低条件。
サクラマス釣りに関しては抽選河川なのでまずはその抽選に申し込まなければお話にならない。
今年は募集人数も増員されたので現在(3月5日)でも引き続き募集されている。トライしてみてはいかがだろうか。
予想
のっけからこんな話で申し訳ないのですが、ここ数年の経験からして三面川の解禁日に釣れる気が全くしない。
要は過去数年の解禁日は釣れていないのだ。
僕らだけが釣れないのなら狙いが良くない、または何か外しているのだろう。しかし河川全域で解禁日に1匹とか2匹とかの話しか聞こえてこない。昨年は下流域でサクラマスをキャッチしたと噂になったご本人に話を聞いてみれば「あ~、あれね!アメマスでした!(苦笑)」とこんな感じで噂が先行する。
ここ数年、ずっとこんな感じで2014年、今年は何か違うぞ!そう言える確証がなに一つ無い。今年もいつもと同じような3月を迎えている。
しかし九頭竜川の解禁前日予想も全く良い条件は聞かれなかった。ところが実際に開けてみれば統計を取り出してから最高の結果が残った。
これだ!自然は人智を超越している。本当、やってみないと分からない、これがサクラマス釣りの魅力でもある。
ポイント選定
釣れない可能性ばかりが先走りながらも、三面に行けば釣りをしない訳ではない。当然、前日に当地入りし、地元の仲間達と少し遅い新年会で「明日はどうするか!」その話題で盛り上がり朝を迎える。とにかく期待は膨らみ、さっきまでの不安はどこかでひっそりと眠りに落ちる。
そして僕らはどんなに二日酔いでも朝イチは真剣に釣れるつもりで頑張るのである。晴れた日の夜明け前は放射冷却でビンビンに冷える。じっとしていられないくらい寒い。それでも期待はこの尋常ではない寒ささえ飲み込むほど大きく膨らんでいる。
おおよそは地元勢の情報とカンで朝イチのポイントは決まる。昨年来、まだ誰も釣りをしていないので恐らくは始めてルアーを見ることになるサクラマスがそこにいれば当然、釣れそうな気がする。
簡単に、要するに、端的にいえばそのポイントの前提条件は基本的に過去の実績。(爆笑)
近年の三面川もご多分にもれずポイントによっては全体の水深は浅くなっている感は否めない。そうなるとやはり一級ポイントは橋の前後にある水深のある深みと瀬の組み合わさった水域が有望であろう。
345号線が三面川を跨ぐ瀬波大橋とJRの鉄橋の前後、下渡橋、国道7号線の架かる水明橋、日本海高速道路の下、岩沢橋の上下。
これら橋の前後はどこにいっても一級ポイントを形成しているのでチェックポイントだ。余談ではあるがこれら橋の前後は遡上魚のサクラマスを狙う場合には絶対にチェックすべきポイントだが淡水系のマスを狙うには常に叩かれている可能性を考えるとタイミングの問題は残る。
この時期、低水温の条件ではサクラマスはあまり複雑な流れには留まりにくいと感じる。もちろん障害物や川底の変化に当たって起こる湧昇流や反転流の中で姿勢を保つにためには多くのエネルギーを必要とするはず。遡上後間もないサクラマス達はまず環境に慣れることを優先するだろう。そう考えると姿勢を保ちやすいストレートな流れについている方が楽だと思うし、好んで着いていると思う。思うだけで確証はない。もちろん早くから遡上していた個体の中には淡水をコントロール下に収めたマスもいるだろう。
それでもこの時期はまだ汽水域や海水域と本流を行ったり来たりして落ち着かない群れがほとんどだと思う。
つまりは水流と水深。水流、流れは速すぎないことも考慮するべきだと思う。
結論的には群れが川のどの辺まで上がってきているのか、その群れを受容できる規模と水深のあるポイント、これは賭けのようなもので当たればオイシイ思いができるのだ。
そして朝イチが終わり、午後のサイレンを聞く頃にはあの諦めの感情がムクムクッと目を覚ます。皆、疲弊し、疲れ果て、しかしアルコールは抜け、ならば早めに風呂に入って、ヨシ!明日の作戦会議だ!そんなモードにスイッチが入ってしまう。
今年こそはそうならないで欲しい、ただただそう願うばかりである。
条件
この河川でもダムの放水量に左右される場合が多い。
三面ダムの放水量のチェックは必要だろうが解禁日にそんな女々しいことを気にしても仕方がない。今は忘れましょう。余程の濁りでも入らない限りは気にしない。
水温?たぶん4℃前後だと思うがそれも河川全域でそれほど違いはないはずなのでポイント選びに大きく影響を及ぼすファクターではない。
その他に気にする条件は雪と水量だけ。場合によっては入れないポイントもあると思うので一応、チェックしましょう。
天気に関しても解禁日はこの一日しかないので嵐でも来ない限りは全てを受け入れましょう。
その他の細かい事はやはりジモティーが頼り。僕らは運良く現地のザウルス駐留隊員が居てくれるおかげで色んな相談にのってくれるので大いに助かっている。
皆さんにとって頼りになるのはやはり地元のショップ。電話して、本当は前日にショップに行って買い物ついでに情報収集しましょう。
頼りになる地元ショップ
・
フィッシャーズ村上店
〒958-0823 新潟県村上市仲間町535-1
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TEL: 0254-50-1551
・こどもや フィッシング・プロショップ
〒958-0269 新潟県村上市古渡路1665-1
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TEL: 0254-52-2922
両店とも三面川のすぐそばにあるので鮮度の良い情報が聞けると思う。
漁師
三面川では船と網を使った「イグリ網漁」なる漁法がある。
当然、漁師さんの解禁も3月16日なので彼らも待っていました!とばかり出動してくる。
二艘の船の間に網を張って、先行する機動部隊が水深のある川岸近くの水面や船をガンガンたたきながら下ってくる。それに驚いたサクラマスが網に掛かるという完璧なシステムの追い込み漁。しかも一度下った後にもう一度上流に上がりさらに反対側の岸沿いを再び、舐めるように流していく。
初めてこの光景にでくわした時はただただ唖然とした。釣りをしている目の前をガンガンやりながら下って行くのである。これじゃ釣れなくなるな~、なんて諦めていたが然にあらず!
岸沿いでステイしていたサクラマスが運良く漁師の網をかいくぐって流芯に出てくる。するとこいつらが妙に興奮して活性が上がりルアーを追う事があるそうなのだ。可能性の話で可能性はゼロではない!イグリ網の際中は諦めてコーヒーブレイク。少し休ませてから再チャレンジすると何事かの幸運が舞い降りるかも!?
タックル
僕はベイトキャスターなので当然、ベイトタックルで挑む。
ロッドはTS70MH-C、もしくはTS-ZY71HC。
三面川のポイントではバックにブッシュがある事が多い。
取り回しを考えると7フィートクラスが上手く折り合いがつく。
6フィートでも行けるがその釣りはもう少し暖かくなってから上流域で楽しみたい。
リールは2500C。サイズ的に一番使いやすい。性能面を追求すれば日本製の高性能リールや新しいABUも良いそうなのだがどうしても古いABUに行きついてしまう。
最近ではみんなどんどん古いリールになっていってファイト中にドラグの効かないモノやギアがイッテしまっていてうまく巻き上げられない!そんな兵まで現れる始末。(笑い)僕のリールは先日、九頭龍でメカニックさんお手入れして頂いたので多分、解禁日を快適にサポートしてくれるはずだ。
ライン
メインラインはモノフィラの10Lb.にビミニツイスト。ダブルラインを通しショックリーダーは20Lb.をメインに状況によっては16Lb.まで下げる。
いたってベーシックなスタイルを使い続ける。
新素材のラインも非常に良いらしいのだが、現状では僕にとってはこれが一番信用できるラインシステム。
ただ、低気温、低水温時にはやはりまだナイロンに多少のアドバンテージがあるようだ。
ルアー
まずはレックス・Mディープ9cm。
絶対的なサクラマスの定番
どこに行ってもそれなりに、というか必ずきっちりとした仕事で安心感は最高。
このミノーがあれば事足りてしまう。
それだけに自分の釣りが面白くなくなってしまうきらいがある。
CDレックス8.5cm
サクラマス攻略のシンキング・ミノーの先駆け
小粒でウェイトもたっぷりなのでベイトキャスターの僕らにとっては実に頼もしい存在。
あまり流れが緩いと動かしてやるためにリトリーブのスピードがイメージと合わなくなる時があるので流れの速さ、押しの強さなど状況に合わせながら投入。
ロッドアクションで動かす選択肢もあるが釣れなかった場合は疲労感が倍増する両刃のナントカ。
ヴィブラ6.5cm & 8.5cm
ビッグトラウト狙いのフィンタイプ・バイブレーションの元祖
ミノー的に使うのにも効果的なのだが今のところ僕の場合、マンUの香川みたいな存在。
今回はもう少し働いてもらおうかな。
と、ここまで書きながら今年の僕のメインミノーはブラウニーSJだ。
昨年、9cmの新サイズがラインナップされ期待大!
このタイプとしてはかなり急な流れでも泳ぎきる世界初のジョインテッド・ミノーだ。大きすぎないアクションで引き重りも少ない。しかもシンキング・タイプなのでベタ底でなければ上下の狙いにも流速によってはある程度対応する。
今年は各河川でSJを使い倒す予定なのである。
カラー
これに関しては当日の水色で使い分ける必要がある。
濁りの状況も一口には言えない。
クリアな水色でも通常はアピールカラーに分類されるであろうカラーも活躍する。
その要因は光量。
マズメ時か昼間なのか、晴天か曇天なのか。
自然条件は上げ出したらまったくキリがない。
要は経験値がモノを言う世界だ。
何が当たるかは当日のお楽しみである。
さぁ、準備は上々、期待感はMAX!
矢でも鉄砲でも持ってこい!
嵐でも来ない限り釣れそうにないからって行かない理由なんてどこにも何にもない!
とにかく行ってロッドを振るのだ!
そして仲間との再開を喜び、絆を深めるのだ!
これで釣れなきゃ、今年も酒を飲んで笑うしかない!
待っていろ、サクラマス!待っていろ、三面川!
(2014年3月)
ザウルストレイン 森下 久志
アングラー ザウルストレイン 森下 久志
ザウルストレインの代表として「一匹の魚と、どう関わるか。」その志を継承。どう釣ればいかに面白いのか、どう釣り方にこだわるのか。不自由を楽しみ、釣果に到るプロセスに一層の重きをを置く。大の大人が真面目くさって、生涯の想い出に残る欲張りなゲームを求めて各地を釣り歩く。