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SAURUS > エッセイ > 山田周治 > 吉田幸二さんの地道な運動に、環境保全の原点がある
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Tokyo Rod & Gun Club
山田 周治
ESSAY: Shuji Yamada


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吉田浩二さんが霞ヶ浦で、バスマン達に声をかけて、粘り強く定期的な湖岸一帯ごみ拾い運動を続けていらっしゃる。



他人が捨てたごみを拾うなんて、だいたい面白いことなんかあるはずがない。まして水に漬かっているビニール袋やペットボトルや空き缶なんて、重くはなっているし、泥まみれになってはいるし、錆びていたり、食い残した食べ物が腐りかけていたりはするし、触るのも嫌なものが多いのだ。

だからみんなで、「セェノッ」とお祭のノリにでもしなければ、とてもじゃないけれど、拾い集めようなんて気にはなれない。幸二氏の人柄に惚れている連中が、彼の呼びかけに「おう」とばかりに応じて集まって、揃いのキャップを被ったりして、ワイワイやっているに違いないのだが、ここまでに育て上げた幸二氏の粘り強さには、敬服するばかりです。


やった経験のある方ならお分かりだろうが、ごみ拾い運動を主宰するというのは、じつはとてつもなく忍耐力と企画力と政治力がいることなのです。
まず、呼びかけるには、メディアの協力がなければいけない。その気になってもらうためのマーク入りのキャップやシャツや袋を作るには、どうしたって資金がなければいけない。
そしてなによりも、自治体行政の協力がなければいけない。

みんなが拾い集めてきてくれたごみは、そのまま積んでおくわけに行かないのはもちろんなのだが、それを自治体のゴミ収集車で運んでもらうには、前もってきちんと話をつけて、休日出勤で(ごみ拾い運動なんて日曜日じゃなければ人が集まってくれないものね)動いてもらえるようにしなければならないからだ。
それも、環境運動としてやっているからには、集めてきたごみを、燃やせるごみ、燃やせないごみに、しっかり区分しなければならない。燃やせるごみも、できればペットボトルなどはさらに分別したほうがいい。


こうやって努力したからって、ポイ捨てをする不心得なヤツがいる限り、ごみがなくなるわけはなくて、だから運動は、定期的に忍耐強く継続するしかないのだ。
しかし、こういう運動のことをメディアが報道してくれていくうちに、ごみは少しずつだけど、次第に減っていくんですね。
もう一つ、実際にごみを拾いながら湖岸を歩いていれば、否が応でも湖岸の状態や、湖水の状況を観察することになる。つまり、現地を観察することになる。
環境を護る運動では、これがいちばん大事なのだ。生物多様性がどうの、外来生物がどうの、と、理論闘争をすることよりも、そこが生き物にとって、快適な生存環境になっているかどうかをいつもきめ細かく観察して、環境を壊さないようにする。

これこそが原点だと思うのです。


山田 周治






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