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SAURUS > 開発記 > #03 フリック50開発記 (3)
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最初は何でもいいから形にしてテストしてみようと思いました。
今まで既製品のミノーのリップを削ったりウエイトを貼ったりアイをいじったりして自分好みのミノーに改造してそれなりに実積も積んでいたのでその辺のノウハウを詰めこんで初号プロトを作ってみましたが、甘かった・・・(汗)。

とりあえず泳ぐには泳ぐが全然話にならない

それどころか自分的にもいいところが一つも見当たらない

ひとつも!?

近所のダム湖でテストしてみたがこれが複雑な流れの渓流では通用しないしコンセプトなんてあったもんじゃない。
かなりヘコみました。

でも作ると決めたからにはヘコんでなんていられない。

この時から自分が持っていた中途半端なミノーの知識はリセットして一から勉強し直そうと思いザウルスのミノーや自分がよく使うミノーを徹底的に調べました。
リップの角度・形状、アイの位置や大きさ・角度、ボディのボリューム・ハンプの位置、ウエイトの形や位置その他諸々。かなりの時間をかけてそれらがもたらす効果がなんとなく分かるようになるまで勉強しました。まさにミノー漬けの毎日でした・・・。

一年ぐらいが過ぎたころさすがの粕谷君も焦りだして状況確認の連絡が頻繁に来るようになりました。自分的にも少し自信が出てきたのでまずは自分がデザインしたボディで気になっているルアーの泳ぎを再現してみようと制作を再開しました。
このプロトがフリックの初期プロトです。

このプロトはただ気になっているミノーの泳ぎの再現だけでなく、一見ミノーとは関係なさそうなノウハウを詰めこんでみました。
結果的にこのノウハウが完成したフリックの性能に大いに貢献しています。



それが何かと言うと実は「サーフボード」なんです。



!!?

「?」と思うでしょうがサーフボードも複雑な流れをコントロールする道具なんです。
僕は十代のころから三十半ば過ぎまでずっとサーフィンの世界にいました。
仕事でボード修理などもしていました。

サーフボードもミノーと同じで各部分の形状やボリュームで全然動きが違うのです。
ミノーのリップにあたる部分はサーフボードではスケッグ(フィン)に当たります。
これの大きさや形、薄さが違うだけで全然動きが変わるのです。

では、何を取り入れたかと言うとボディのボリュームと形状です。ボディで水を噛んだときに浮き上がらないヘッド形状にしています。
単純に浮力をなくしたのではありません。頭で流れを受けて押さえ込む形状です。ただこの方法で押さえ込むにはハンプバックの位置=浮力の頂点とウエイトの位置が関係してきます。
ここのバランスはもの凄く難しかったです。

ハンプバックの頂点の位置とフロントフックアイの位置はヒラ打ちの幅やピッチ、ウォブリングの振り幅にかなり影響してきます。
しかも、ハンプバックはミノーの一番大きなカーブで見た目にもかなり影響してきます。
では、どうやって決めたかと言うと、ズバリ「ブラウニー」です!

ミノーフェチの僕がカッコいいと思うミノーのハンプの頂点から前後の比率を軒並み調べてみると、ほぼブラウニーと一緒なんです。
しかもそのミノー全てがバランスいい泳ぎなのです。まさに黄金比です。あらためてブラウニーの凄さに気付かされました。
と、いうことでフリックにもその比率を採用~!

その他にもリップやラインアイにも、かなりこだわりました。

なるほど!!
実釣テストはどのように行いましたか?

フリック初期プロトが完成しいよいよスイムテストです。
前回の “ボツ” プロトのトラウマでかなりドキドキでした。







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