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SAURUS > エッセイ > 則弘祐 > 30年前のバスつりの少年たちへ (3)
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ザウルス・スーパーバイザー
則 弘祐
ESSAY: Hirosuke Nori


第1話 | 第2話 | 第3話
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30年前のバス釣り少年たちへ。

いまキミは40歳ぐらいとする。
そしてトップウォーターバス釣りをしていたとする。
であるとすれば、ここ何年かバス釣りでいい思いをしただろうか?

バスは釣れない。そう思っているのはキミだけではない。
それではバスはいないのか?
40年以上もバス釣りをやっているプラッギング原理主義者のノリさんとしてはそうは思わない。バスはいなくなったのではなくて、いても食わないのだ。

ではなぜか?
理由は簡単だ。賢いからだ。

賢いからこそ、この温水性の魚食魚は生き抜いていける。
賢いからこそ釣って面白い。40年以上もワンパターンでトップをやっていて“飽きない”どころか、バス釣りが増々面白くなっている。
さて、この賢いバスをどう僕たちの流儀でどう攻めるか。攻め方、アプローチの方法は2つあるとノリさんは思う。

ひとつは、
音。

スィッシャーにせよポッパーにせよプラグの音、ミノーの泳ぐときに生じるリップの波動でさえバスは学習しそれどころかそれをDNAでキケンなことを子孫たちに伝える。そう、それほどにくり返すけれどバスは賢い。さらに音はプラグだけではない。
エレクトリックモーター、ジョンボートのパタパタ波を切る音、話し声、着水音。フロートチューブの足ヒレの波動なんて強烈なパワーでバスに伝わる。ストーキングで釣るフロリダのターポンはエレクトリックを使わずプッシュポールだ。たぶんバスも水中に揺れる藻や水面に浮くヒシの葉などの微妙な違いを感じ取ってシモッて(沈んで)しまい口を使わないのではないか。
とノリさんは思うのだけれど、さてその事実をどう実行するかとなるとなかなかむずかしい。
さぁ、キミならどうする?

つぎに、
ポイント。

ポイントというのは水中で釣る釣りと違い、トップウォーターは水面に出ている目に見えるストラクチャーを釣るわけだから、誰でもポイントはポイントとして認識し誰でも狙う。だから、釣れない。
そう、答えは以外と単純で人のやらない場所、諦めるぐらいの場所を攻める。ブッシュなら奥の奥、被っているボサならなおその奥。とは言ってもねぇ、判っているけどねぇ、なのである。
さぁ、キミならどうする?



30年前のバス釣り少年たちに。
プラッガーたちに。
トップウォータードリーマーたちに。
パラノイアシンドロームたちに。
団塊たちに。
大人の少年たちに。

ランカーバスが待っている。
ビッグトラウトが挑戦してきている。
さぁ、
釣りにいけ。


則 弘祐


写真:『フィッシング』誌 1975年10月号 撮影:渡辺 稔




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