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SAURUS > エッセイ > 山田周治 > バス釣りもキャッチアンドリリースも、「お上はちゃんと認めているんだぜ」
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Tokyo Rod & Gun Club
山田 周治
ESSAY: Shuji Yamada


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外来生物法ができてから、バス釣りを見る目つきが険しくなったね。

「特定外来生物による生態系等に関わる被害の防止に関する法律」っていうのが正式な名前だそうだけれど、老化してしまっている僕の脳では、何遍読み返しても、スルスルと逃げて行ってしまって、覚えられそうにないから、「外来生物法」という通称で行きます。



さて。

この法律が決まったときには、たしか新聞でも条文が紹介されていたけど、生来の横着に加えて加齢現象、切り抜いておくなんてまめなことはしなかった。ちょっと見たくなって、まあインターネットで見ればいいだろう、と思ったら、なんと環境省の外来生物法のWebにも、肝心の条文はまったく載っていないんだね。ひょっとしたら、見られたら困ることでもあるのかしら。
というわけで、一般の人間は、法律の全体像を簡単に知ることなんかできない。もっぱらマスコミが取り上げる、感情的で迎合的な記事でしかこの法律を判断することはできないということになっているんですね。


おまけに、ホラ、僕ら日本人の心の中には、江戸時代から60年前まで続いてきた「お上(行政、国)=正」の制度の名残が、相も変わらず潜んでいる。 「お上が決めたんなら、きっと正しいんだろう、それに従ってりゃ間違いないのさ」
と、本当はどうなのか自分の目できちんと確認しないで、受け入れてしまう。
ためしに隣近所のおじさんやおばさんに聞いてごらんなさい。バスの姿など見たこともないくせに、みんな、バス? あの怖い魚? と口を揃えていうはず。


いまやバスは「お上(国)」が認めた悪者、池や湖にいる生物を食べつくす恐ろしい害魚、ということになってしまった。その論理の行く先はハッキリしている。 「そんな悪い魚を釣るなんて、ろくでもない釣りに決まっている」
これは仮説でもなければ杞憂でもない。実際に、バス釣りに対する人々の目は、ハッキリ白くなっている。目つきが険しくなっている。


もしそれが一歩進んで、バス釣り妨害の行為を受けたら、ハッキリこういってやろうじゃないか。
「お上が決めた外来生物法では、バス釣りも、キャッチアンドリリースも、ちゃんと認めているんだぜ」


山田 周治






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