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SAURUS > エッセイ > 田中秀人 > 宮川 プラッギング・レポート (4)
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Tokyo Rod & Gun Club
田中 秀人
ESSAY: Top Notch


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ESSAY TITLE




梅雨も明けて、入道雲と強烈な日差しがじりじりと肌を焦がし、農道を彩るヒマワリがギラギラと太陽を反射している。
畑に目をやると、あちらこちらに丸々と太ったスイカが収穫を待っている。岩清水に半日浸しておけば、木陰の下で酷暑を癒してくれる、夏の友なんだ。
すぐにでもかぶりつきたい。
本当に暑い夏だ。猛暑と言うよりも酷暑と言った方が的を得ている。


本流はアユ師が所狭しとひしめき合い、気温は30度以上、水温も20数度に上昇して、飛騨の流れも今年は亜熱帯化している。
この時期のアユ師の面々は真っ黒に日焼けして、タラタラと汗が額から滴り落ちている。
本流のトラウトはどうしているのだろう。水温20度以上のドピーカンとなれば、ほとんどのトラウトたちはだれてしまってやる気をなくしているだろう。
一般的には真夏の本流プラッギングは絶望的と思われている。ところが、こうした中でも真夏のレインボーは果敢にガンガン瀬の中で大暴れしている。


思い起こせば、25年以上前。僕がアユの友釣りを楽しんでいた頃の話だ。
アユの強いやつは瀬に付く。特に強くて一番でかいやつは、さらに流れの強いガンガン瀬にいるのだ。瀬の中で、型の良いアユを手に入れた。
強いアユはおとりアユとしても最高で、ガンガン瀬を狙うにはこうした極上のおとりが必要になる。
「よし、一発勝負!ガンガン瀬で最強のアユを狙うぞ!」
静かに、おとりをガンガン瀬に送り込んでいく、とそのとき・・・。
「グイーン、グングン!ビーン、ビーン、ブチッ!」
巨大な何者かにおとりアユが襲われ、あっという間にラインブレイクだ。そして、10年ほどたったある日、ブラウニーを手に、そのガンガン瀬の主が巨大なレインボーであることを確認するのであった。


このエピソードは、僕のザウルスエッセイ「遥かなる我が飛騨の川」の中で詳しく語っているので覗いてみてください。
僕のこの20年は、ほとんどルアー・フィッシングオンリーになったのだが、昔は魚と川に絡む遊びはなんでも有りだったんだ。
釣りをして、さらに川にもぐり、季節の移り変わりを覗き続けた。
そして、真夏のドピーカンはガンガン瀬の中にレインボーがいると確信がある。


そんな思いの中、今年はいつもにも増して厳しい夏がやってきた。
川原に長時間立っているだけで、意識が遠のいてゆく。滝のように流れる汗、汗が目に入り陽炎とあいまって遠くがかすんで見える。



プロトのベイトキャスター6フィートにCDレックス・スーパーシンキング6cmを結び、真っ先に日中のガンガン瀬を選ぶ。
来年発売予定のこのトラウト用ベイトロッドは張りを持ちながら、相反するシットリ感と共にキレイなカーブをえがいてくれる。シンキングミノーのウェイトがしっかり乗って、とてもキャスティングしやすく、さらに流れの中で自在にプラグをコントロール出来る。
最近の“つんつん”しただけのロッドではなく、強さと繊細さを併せ持ったトラウトプラッギング専用のシャフトなのである。
その上ボロン・コンポジットのバットパワーが流れの中の50cmオーバー・レインボーとのファイトも問題なくこなしてくれる。
信頼のロッドを手に、いつかのおとりアユを盗られたガンガン瀬を迷い無く目指している。


ギラギラ輝く太陽の下ではシルバー系のミノーは光りすぎて逆効果になる。
さらに、この時期のレインボーは小粒のミノーを好む傾向が強いので、スパシンの金黒オレンジベリー6cmを選ぶ。
クロスストリームにキャストして、ゆっくりとミノーを上下させながらガンガン瀬をドリフトさせ、ふとテンションが緩む暖流部分で柔らかくトゥイッチをかけてやる。
僕のミノーアクションのバリエーションでも最も柔らかいアクションだ。


ここで、ガンガン瀬の中のミノーの動きを考えてみよう。
ガンガン瀬の中ではその流速により、ものすごいファーストリトリーブ状態と同じくらい激しくミノーが動いている。
ここでトゥイッチをかけるには注意が必要だ。
こうしたガンガン瀬で早引きに強いアクションではミノーが暴れすぎてトラウトが追いきれない。そして、あっという間にルアーがポイントを通過してしまうのでターゲットに十分アピールできず、バイトするタイミングを与える前にピックアップにいたってしまう。
これではチャンスをものに出来ないし、本流の強者はそう何回もチェイスしてくれないのだ。





要点はこうだ。ゆっくりミノーを上下させながら鏡の部分やちょっとした暖流帯に入った時に柔らかくトゥイッチをかけてやるのが効果的なのだ。
リトリーブはラインスラックを取る程度で、早引きは厳禁。


こうしたアクションを実現するためには、CDレックスCDレックス・スパシンのようなヘビーシンキングミノーをサスペンド気味(ボトムを取るのでは無く、水になじませるように中層でミノーを泳がせる。)に使うのが効果的だ。
そのためにはガンガン瀬の中を完璧に泳ぎきるバランスの良いミノーが必要になるのだ。
ミノーは似た形のものも多いが、こうした状況で泳ぎきるミノーはそう他には無いのである。


田中 秀人






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